Control Theory Group

三重大学工学部電気電子工学科
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周波数応答ベースアプローチ 研究内容

制御工学の初学者はまず古典制御について勉強をすると思います。古典制御における制御器の設計法としては 限界感度法やステップ応答法などモデルを用いず,制御対象の応答に基づいて設計を行う方法もありますが, 開ループ特性におけるループ整形が代表的なものとして紹介されています。 ループ整形においてはPID補償や位相進み・遅れ補償のパラメータを調整しながら良好な開ループ特性に 近づけるよう整形をするわけですが,これがなかなかに手間が掛かり,所謂職人技を必要とすると言われています。 周波数応答ベースの設計アプローチでは,制御対象の周波数応答を用い,各周波数点において開ループ特性が満たすべき制約を記述し, すべての周波数点で制約を満たし,目的関数を最小化する制御器を設計する手法となります。 モデルベースの制御器設計手法は制御器を解析的に求めることができるのに対し,本アプローチでは評価している 周波数点で制約を満たしているに過ぎず,必要条件を満たしているに過ぎません。 しかし,十分に細かな周波数分解能で評価することで実用上問題のない制御器を設計することができます。 また,制御対象の周波数応答が得られれば設計が可能であるため,必ずしも伝達関数モデルや 状態空間表現などの制御対象の数式モデルを必要としない点もデータ駆動型アプローチと同様の利点として挙げられます。 また,ロバスト性能問題や多目的制御問題なども簡単に記述することができる点も魅力の一つです。 現在の研究課題として,非整数次制御器の設計,ロバスト性能条件を満たすフルパラメトライズド制御器の設計, ゲインスケジューリング制御器の設計,などに取り組んでいます。

最近の研究テーマ

2019年度(各テーマをクリックすると概要を見れます)

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