How to Teach English Effectively with ALTs at Elementary School
(小学校におけるALTの有効的な活用法について)

68期 AI 類 M. W.

Introduction

 ALT(Assistant Language Teacher)は小学校、中学校、高等学校のいずれにおいても導入されているが、小学校での導入率が一番高い。つまり、小学校においてALTとのティームティーチングが進んでおり、その重要性が高いと言えるであろう。しかし、私が小学校の時に実際授業を受けてきたり、大学生になり小学校で授業を参観したりする中で、いくつか疑問に思う点や問題点があることに気づいた。例えば、ただ楽しいだけの45分間になっているのではないかや、英語のネイティブ・スピーカーとしての強みが活かされているのか、といった点である。そこで私はこの論文において、小学校におけるALTと日本人教師の授業の現状を分析して、いくつかの効果的な方法を提案していく。

Chapter 1 Backgrounds and Characteristics of ALTs

 この章では、ALTが導入された背景とALTの恩恵について言及している。ALTはJETプログラムの開始と同時に本格的に導入され始めたが、JETプログラムの他にも自治体が独自に雇用したり派遣で採用したりと採用形態は様々であることが分かった。つまり、ALTの採用基準も様々であるということが明らかになった。また、ALTの恩恵としては5つに焦点を当てた。児童の英語学習に対するモチベーションアップ、日本人教師より正確な発音を教えることができる、児童に「英語が通じた」という経験をさせることができる、言語のみではなく本物の異文化を伝えることができる、そして、日本人教師の資質向上に貢献できるという5つの恩恵に分類した。

Chapter 2 Problems Surrounding ALTs and Solutions

 第1章とは反対に、この章では、ALTとの授業におけるネガティブな面について言及している。特にALTを取り巻く4つの問題点とその解決方法を明らかにした。1つ目は言語に関する問題である。日本人教師は英語が得意ではなく、ALTは日本語が得意ではないので、そこでのギャップが授業の進行に関わってしまうことがある。2つ目はALTと児童との関係に関する問題である。ALTは教員免許の所有が求められていないため、児童理解が乏しく、児童に合った授業を行うことができない危険性がある。3つ目は授業内容に関する問題である。通常教師は授業内容を吟味し検討してから授業を行うが、それらがALTと日本人教師間で十分になされていない授業に遭遇した経験からこの問題についても言及した。そして4つ目は雇用上の問題である。ALTは様々な雇用形態で採用されているので採用の際の選考基準や試験内容等が異なっていたり、公開されている採用に関する基準が曖昧であったりする問題点があると考えられる。

Chapter 3 Effective Ways to Teach English through Team Teaching (TT)

 この章ではティームティーチングの4つの形態を明らかにし、その上で、小学校でALTを有効的に活用するための方法を検討している。まず、ティームティーチングはALTが主導権を握る形態、日本人教師が主導権を握る形態、ALTと日本人教師がそれぞれの役割を持ち、互いに役割を補完する形態、そしてALTと日本人教師が同じ役割を担いながら一緒に教える形態に分類することができる。これらの形態のうち、私は小学校においては、ALTが主導権を握る形態がベストであると結論づけた。この形態で授業を作った上で、私たち日本人教師は、授業前にはALTと特に児童についてと本時のねらいについて話すこと、授業中には児童に求めることを率先して実行し、日本語で話し過ぎず補助を行うこと、授業後には時間がない中でも、次回へ繋げるために1つのポイントについてでもよいので話すことが特に効果的なティームティーチングを行うために必要であると考える。

Conclusion

 現在教育現場ではICTの活用が促進されているが、私はALTの恩恵は多大であり、ティームティーチングを勧めていきたいと考える。私たちは小学校教員として2つのことを特に大切にすべきであると感じた。一つ目は、大学等でもティームティーチングを学ぶ機会はほとんどないため、まずはティームティーチングにおけるALTの恩恵について理解することで、もう一つは恩恵を理解した上でそれらを最大限に活かすために必要なことを念頭に置きながら授業にあたることである。私自身もこれから小学校教員としてこの論文で明らかになったことに加えて様々なことを経験しながら、ALTとよりよいティームティーチングを目指していきたい。