A Reconsideration of Early English Education
(早期英語教育再考)

67期 AII 類 M. T.

Introduction

 2020年から英語が日本の小学校で教科化される。これは英語を学ぶのは早ければ早い方が良い結果が生まれるという考えに基づいている。この卒業論文では、まず始めにこれについて、ほんとに正しいのかどうか考察する。そして英語の勉強において重要な要素を挙げ、それと共に日本の小学校の学習環境について考える。最後に早期英語教育が望ましいのかどうか、そして有用な方法を提示したいと思う。

Chapter I People in Favor of Early English Education

 今の日本では子どもに英会話を習わせる親が多いということから、親の英語教育への関心が高いということが明らかになった。その理由として3つ挙げた。1つ目に自分がこれまで英語を学んできたのに英語力が身に付いてないという自分自身の経験、2つ目に英語力がより求められる時代になってきたということからグローバル化を挙げ、3つ目に英語によって将来の視野が広がり、良い職業に就きやすくなるというメリットを挙げた。また一般的に日本より英語力が高いと言われ、かつ日本より早く早期英語教育を始めた中国での教育を例に考察した。日本と比べて授業数が多いが、授業内容については日本の英語教育とそれほど差がないと結論付けた。

Chapter II Critical Period

 この章では早期教育と密接に関わりがあるとされる臨界期について考察した。過去の実験から思春期あたりとされる臨界期以降でも言語習得できるという事例がいくつも存在した。そして臨界期の具体的な時期に曖昧さがあり、臨界期は個人差があるのではないかということから、英語学習は早ければ早い方が良いとは一概には言えないとした。

Chapter III Review of the Early English Teaching in Term of Important Factors

 この章では、勉強の質・勉強の量・モチベーションの3つを重要な要素として早期英語教育を見直した。2020年からの早期英語教育では現在形や過去形という文法事項を学習する予定である。以前より授業内容の質が向上するだろう。しかし問題になるのは、教員の英語力の欠如である。コストの問題からALTを雇えない学校が多い。また学校以外では宿題や習い事を除くとほとんど英語を使う機会がないということも問題に挙げられる。そして、どのように生徒の英語学習へのモチベーションを上げていくかということを考えることも大切である。

Conclusion

 早期英語教育にはまだまだ問題点も多い。1人1人の教員が自分の英語力を上げるようと努力していく必要がある。また少しでも生徒が英語に触れられるように授業を工夫したり、生徒が英語を嫌いにならないように楽しく英語が学べる環境を整えていくことが大切である。