What Teachers Should Do to Answer Students' Questions?
(生徒の疑問に答えるために教師は何をするべきか)

67期 AII 類 M. A.

Introduction

 生徒が英語に関して抱く素朴な疑問に対して教師はどのように対応するべきなのだろうか?「英語はこういうものだから覚えなさい」という答えは生徒を英語嫌いにさせてしまう可能性がある。また、教育実習、塾でのアルバイト、自身が中学生だったときの経験から9つの疑問にしぼり英語学・英語史を用いて「なぜ?」を考えていく。ただしそのすべてを生徒に伝えることが常に正解であるとは限らない。中学生にとっては理解することが難しいことの方が多い。目的は生徒に英語学や英語史を理解させることではなく、英語の勉強を楽しく感じさせることであり、これは英語教師の重要な役目に1つであると考える。9つの疑問を「語尾変化に関する疑問」「発音と綴りに関する疑問」「統語や意味論に関する疑問」の3つに分け考えていく。合わせてそれを踏まえ教師はどうするべきかを考える。

Chapter I Questions regarding Inflection

 この章では「1. なぜ三人称単数現在形の's' は使われるのか?」「2.なぜ 'try' の過去形は 'tryed' ではなく 'tried' なのか?」「3.なぜ 'child' の過去形は 'childs' ではなく、'children' なのか?」の3つの疑問に焦点を当てた。1に関しては日本語にはない考え方であるため生徒にとって馴染みのない考え方であり、長期英語学習者でも忘れがちなものである。そのため納得してからこのルールを使っていくことは重要だと考える。2.3に関しては英語の不規則変化に関するものである。「動詞を過去形にする時は -ed を語尾につける」「名詞を複数形にする時は語尾に -s をつける」といった規則の例外になるものである。覚える時に「なんでこうなるんだ」と感じる生徒も少なくはない。どちらも中学1年生で習うものであり、早い段階で英語に対する嫌悪感をもたせないようにすることが大切であると考える。

Chapter II Questions regarding Pronunciation and Spelling

 この章では「4. 'know' の 'k' は発音されないのになぜ必要なのか?」「5. 複数形の 's' はなぜ [s] と読まれたり [z] と読まれたりするのか?」「6. なぜ 'I' は常に大文字なのか?」の3つの疑問に焦点を当てた。今は英語を国際化が進み生徒が将来社会に出た時に英語が必要とされる時代である。その中で学校で習った英語を実際に使えるようになることが必要である。生徒が学校外で英語を使い他国の人とコミュニケーションがとれるよう誦S行の中でこういった疑問を共有しある程度の理解の上で繰り返し練習する機会を作ってあげることが大切であると考える。

Chapter III Questions regarding Syntax and Semantics

 この章では「動詞の 'take' はなぜ様々な意味をもつのか?」「なぜ英語は文末に焦点が置かれるのか?」「なぜ仮定法では 'I was' ではなく 'I were' となるのか?」の3つの疑問に焦点を当てた。自分が実習で生徒から投げかけられたがうまく対応できなかった経験から教師になった時はどうすればいいのかを考えた。

Conclusion

 「知識がある人とない人では言葉の重みが違う。」私が大学でのある授業で言われた言葉である。私が大学で英語の授業を多くとり、学んできた理由でもある。教師として生徒に英語の楽しさを伝えるためには教師も英語を勉強し続けることが大切だと考える。知識がなければ情報を取捨選択して生徒に伝えることが出来ない。生徒が疑問を持った時に少しでも納得し英語の面白さを感じてもらえるような教師を目指したい。