How to Teach Pronunciation to Students in Elementary School
(小学校における児童への発音の指導方法について)

66期 AII 類 N. A.

Introduction

 この卒業論文では、小学校における英語の発音指導の方法を提案する。一般的に日本人は英語発音が苦手と言われており、コミュニケーションにおける障がいの一つになっている。また、2020年から小学校では第5学年と第6学年の子どもたちに対して英語の授業が必修となり、第3学年と第4学年の子どもたちに対して「外国語活動」を行うことが発表されている。このように本格的になっている小学校での英語教育において、どのように発音指導をするべきなのか、日本人が英語発音を苦手とする理由と、学習指導要領をもとに考えていく。

Chapter I 

 一章では、日本人が英語の発音を苦手とする理由を分析する。英語と日本語の音についてみていくと、母音や子音の数は日本語の方がはるかに少なく、音節や強勢など様々な点で異なっていることが分かる。さらに、英語の音声を表記する際にカタカナやローマ字を使用することがあるため、その英語を日本語の音でしか発音できなくなってしまうことも、苦手を生み出す原因の一つだと分かる。

Chapter II 

 二章では、現在の英語指導の問題点と、新学習指導要領の外国語を分析する。日本語と英語の違いの指導や、英語の音とスペルの関係性の指導などにおいて問題が挙げられている。学習指導要領では、英語と日本語との違いを指導したうえで、英語特有の個々の音や、強勢、抑揚などを習得させていくことが求められる。

Chapter III 

 三章では、現在実際の教育現場でよく使用されているフォニックス・ライミング・チャンツ・歌の4つの指導法の特徴を調べ、その後オリジナルの指導案を作成した。オリジナルの指導案では、アルファベットの読み方や発音を習得させるために、歌を主に使用する。その中で、日本語とは別の言語として扱うために、カタカナは使用しないこと、指導者は音をきかせるだけではなく、唇や舌などの動きを見せて練習する時間をしっかりととることを提案する。

Conclusion

 英語の発音は日本語とは異なることが多く、日本語の音を代用した英語の音では、実際のコミュニケーションで正しく伝わらない可能性がある。違いを正しく理解していないと、リスニングにも影響が出て、英語学習の妨げとなってしまう。そのため、英語学習初期の段階で、正しい音に存分に触れることが必要である。教師が英語と日本語の違いを正しく理解した上で、それらを子どもに指導し、継続的に英語の音に触れさせる時間を作ることが求められる。