Effective Ways to Teach Listening at Junior High School
(中学校でのリスニングの効果的な指導法)

65期 AII 類 H. T.

Introduction

 Introductionでは、この卒業論文を扱う上でリスニングの重要性について調べていった。いくつかの文献からリスニングは英語の4技能(リスニング、スピーキング、リーディング、スピーキング)の中で英語学習の初期段階に行うことが有用であることが分かった。現在では小学校から外国語活動が行われているが、中学校という段階は英語を学習する中では初期段階である。よって、中学校でのリスニングを効果的に指導することは重要であり、中学校以降の英語学習にプラスに働いていくと考えられる。

Chapter I Why Japanese People Are Not Good at Listening

 Chapter I では、主になぜ日本人はリスニングが苦手なのかということを考えた。現在の日本人は4技能の中でリスニングを苦手と感じている傾向がある。さらに、文部科学省の調査で中学校での英語の4技能の学習の到達度をそれぞれ調べたところリスニングの到達度は最下位であった。日本人が英語をリスニングする上で障害となる理由が3つあると考えた。1つ目は語順がある。日本語と英語では語順が違う。この語順を英語から日本語へリスニングしている間に入れ替えているとそのリスニングのスピードについていけず、聞き取れなくなってしまう。2つ目に語彙力がある。英語を実践的に使用できるために必要な単語数が7000-8000語、TOEICを受けるために必要な単語数は約3700語に対し、高校卒業までに教えられる単語数約3000語、中学校で教えられる単語数約900-1200語と中学校で教えられる単語を仮に全て習得したとしてもTOEICや実践的に英語を使うために必要な語数には足りていない。3つ目にリズムがある。英語には連結、同化、脱落といった音の変化の規則がある。そのため、音と音が繋がったり、音がなくなったりとリスニングを行う上での妨げとなる。

Chapter II Effective Ways to Teach Listening Focusing on Word Orders, Vocabulary, and Rhythms

 Chapter II ではChapter I で出てきた日本人がリスニングをする上で妨げになる要素3つに焦点を当てたそれぞれのリスニングの効果的な指導法を考察していった。まず語順に関しては普段から英語の語順のまま聞き取れるよう、リーディングの際にも前から訳すという感覚を付けていく指導法が考えられた。語彙力に関しては文献から応用し、導入から反復、定着の流れを考えた。リズムに関してはリスニング学習で代表的なシャドウイングを使い英語の音の変化に慣れさせていく。また音の変化の規則についても本文中に出てきたら触れていくことが大切であると考えられた。

Chapter III A Class Taught by Using The Effective Ways to Teach Listening

 Chapter III では、Chapter II ででてきた効果的指導法をより実践的に使えるようにそれらを使った授業の指導案を考えた。この授業はリスニング能力の向上を目標として作った。スラッシュリーディングを行い、それを英語の語順のまま訳す、シャドウイングを行うなどを、英語のリズム、語順に慣れさせていくことが大切であると考えられるため組み込んだ。ただその活動を行うだけでなく、教師はどのような意図を持って指導を行っているか考えることを大切にしたい。この授業はリスニングに焦点を当てているところが4技能を総合的に向上させていくという中学校の目標に少し外れてしまうのでいつもこのような授業ではなく、授業の進行状況や生徒の実態との兼ね合いを考えて行っていく必要がある

Conclusion

 これまで、リスニングの指導法を考えていく中で多くの指導法があることを知った。まず教師はその多くの指導法を認識しておくことが必要であり、そして、その多くの指導法の中からリスニングの問題点や生徒の実態を考慮しながら選択し使っていくことが大切であると考えられた。