How to Make an Effective English Class with ALTs
(ALTとどのように効果的な英語授業を行うか)

63期 AII 類 Y. H.

Introduction

 2011年度から、英語が小学校高学年の児童にとって必修の活動となったり、2020年度から小学校3年生から英語が必修となったりするなど、グローバルな人材を養うための学校カリキュラムが今日重要視されている。また、英語が重要視されることで、より多くの外国人講師(ALT)が日本に派遣されている。それに伴い、日本人英語教員(JTE)にとって、ALTとのティームティーチングの機会は多くなっていくと考えられ、JTEは、ALTを生徒の学びに効果的に生かす技術が必要となる。私は、この論文において、現在のティームティーチングの現状と課題、ALTとJTEは授業において、どのような役割を担うべきか、ALTとJTEは、ティームティーチングに関して、実際にどのような意見をもっているかについて明らかにしていく。

Chapter I

 この章では、現在、日本の英語教育がティームティーチングに関わることで、努力していること、問題となっていることを明らかにした。努力していることの例として、小学校での英語教育の必修化、それによるALTの登用を増やすことなどが挙げられる。ティームティーチングの問題点として、JTEが多忙であることによる、授業準備が不十分であること、JTEがALTを効果的に授業で活躍させる方法を知らないこと、多くのALTが「教える」ということに対して全くの素人であることなどが挙げられる。

Chapter II

 この章では、英語科の授業における、クラスコントロール、発音指導、異文化理解などのさまざまな観点から、ALTとJTEの能力を比較する。例えば、多くのALTは「教える」ことの経験があまりなく、30人〜40人の生徒に指導をすることに困難を感じることが多い。したがって、ALTがleading roleとなって授業を進行させる場合、JTEの助けが必要不可欠である。一方、ALTの強みの一つとして、生徒の、英語への学びに対するモチベーションを上げるという点がある。ALTが生徒の話す英語を理解したとき、それが生徒の自信へとつながり、英語学習への励みとなるであろう。これらのことを理解したうえで、ALTとJTEが、英語授業において担う役割を明らかにするべきである。

Chapter III

 この章では、英語科の授業をパターン1からパターン4(パターン 1: JTE=secondary role, ALT=leading role, パターン 2: JTE=leading role, ALT=secondary role, パターン 3: distinct roles for each, パターン4: Equal roles)に分け、それぞれのパターンの授業を行ううえで、ALTはJTEに対して、JTEはALTに対して、どのような意見をもっているか、アンケート調査によって明らかにした。パターン1に関して、多くのALTは英語を教えることに慣れていないため、JTEの助けが必要となること、パターン1を行うためには、ある程度の「教える」ことの経験がALTに求められるべきだということが明らかになった。パターン2に関して、JTEはALTの性格、強み、弱みなどを理解して、効果的に授業で活躍させる能力をもつ必要があることが分かった。パターン3に関しては、JTEとALTがお互いを理解し合ううえで、授業における役割を明確にする必要があることが分かった。パターン4に関しては、JTEとALTがお互いに学び合い、それぞれのスキルアップにつながるという意見があったが、パターン4を行ううえで、ALTにある程度の経験が求められるべきだという意見があった。

Conclusion

 私は、この論文で、ティームティーチングの重要性、ティームティーチングを行ううえで、ALTとJTEの両者が満足するような授業づくりをするには、どうするべきかを明らかにした。より良いティームティーチングを行うためには、両者がお互いの性格、強み、弱みなどを理解することが必要であること、授業前の話し合い、授業後の反省の機会をもつことが重要となる。