How to Learn Non-Verbal Communication Skills in English Class
(英語の授業において非言語コミュニケーション能力をどのように学ぶか)

64期 AII 類 R. N.

Introduction

 中学校における英語教育の主要な目的の一つとしてコミュニケーション能力の基礎を養うというものがある。そのため、日本では言語コミュニケーションを中学校で学ぶ。しかし、彼らの多くは実際の場面でコミュニケーションをとることができない。なぜだろうか。コミュニケーションは、大きく言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに分けられる。実際の場面でコミュニケーションを自然に、流暢に行うために彼らは同時に非言語コミュニケーションも学ぶべきだと私は考える。学習指導要領には英語教育の目的の一つとして、読む、書く、聞く、話す、の4技能を養うこととしているが、私はこの4技能に加えて非言語コミュニケーション能力を養うことも必要であると考える。

Chapter I Definition of Non-verbal Communication

 非言語コミュニケーション能力とは、言語を用いないコミュニケーション能力である。身振り、手振り、表情、スキンシップ、体型、髪型、服装、視線など言語以外のものによって相手に何かしらの情報を与えるものは全てこれにあたる。非言語コミュニケーションはさらに、意図的なものと非意図的なものに分けられる。私たちが、学ぶ事によっても使うことができるようになる意図的非言語コミュニケーションは、言語コミュニケーションで伝わる情報を強調したり、修飾したり、言語コミュニケーションの代わりに使ったりと様々な役割を担う。

Chapter II Merits and Demerits of Learning Non-verbal Communication Skills in English Class

 この章では英語の授業で非言語コミュニケーション能力を学ぶことの利点と欠点を述べる。この章からは非言語コミュニケーションの中でも特にジェスチャーに焦点を当てる。大槻(2010)が行ったアンケート調査と、その他の点からその利点と欠点を整理した。特に大きな利点としてはコミュニケーションをとる際の不安を軽減できる点である。ジェスチャーは意味が曖昧で明確な情報を伝えにくい反面、はっきりとした間違いがないため、積極的に言語コミュニケーションを補助するコミュニケーション方略として使うことができる。反対に、言語コミュニケーションを学ぶ必要性を生徒に軽視させたり、言語コミュニケーションを学ぶ時間を削ったりする危険性がある。

Chapter III How to Learn Non-Verbal Communication Skills in English Class

 この章では、英語の授業の中でどのように非言語コミュニケーションをまなんでいくかを考える。2章で整理した利点と欠点を考慮し、以下のような活動を行うことを提案する。

 活動名:英語と身振りで伝えたいことを表現しよう
 時間: 5分
 区分:ウォームアップ
 活動内容:2人1組になり英語と身振り、手振りを使ってトピックについて相手に伝える。
 トピック:教師が決める。

この活動で非言語コミュニケーションを学ぶ際には様々なことを考慮する必要がある。まず時間である。非言語コミュニケーションはあくまでも言語コミュニケーションを補助するものなので言語コミュニケーションを学ぶ時間をなるべく削らないようにしなければならない。次に聞き手がいかに外国人になりきれるかである。英語を母語とする外国人に伝わらない方法でコミュニケーションが成立してしまうと、実際のコミュニケーションで使えるコミュニケーション能力が身につかない。聞き手がいかにそれを考慮してコミュニケーションできるかが重要である。また、実際のコミュニケーションに近づけるため、日本人特有のジェスチャーと日本にはない英語圏の外国人のジェスチャーを学んでおく必要がある。教師は生徒が日本語を使ってコミュニケーションをしていないか、楽しく活動ができているか、不快感を感じていないかを確認する必要がある。頻度については英語を学ぶ意欲を高める効果があると考えるため、毎日行うのが良いが、言語コミュニケーションを学ぶこととの兼ね合いを考える必要がある。

Conclusion

 非言語コミュニケーションは言語コミュニケーションの基礎を習得した上で身につけることで実際のコミュニケーションをする上でとても大きな役割を果たすものである。実際の場面で使うことができるコミュニケーション能力を養うために非言語コミュニケーションを学ぶことが必要であるが、しかし非言語コミュニケーションを学ぶ事によって言語コミュニケーションを学ぶことができなくなってしまっては、結果的に実際の場面で使うことのできるコミュニケーション能力を養うことはできない。どのようなバランスで言語コミュニケーション能力と非言語コミュニケーションを学べば本当の意味でのコミュニケーション能力を身につけることができるのか、十分に注意して学ぶ必要がある。