Creating Effective Communication Activities
(効果的なコミュニケーション活動の創出)

63期 AII 類 Y. M.

Introduction

 1988年、学習指導要領に「コミュニケーション」という用語が初めて現れる。それ以来、「コミュニケーション能力」の育成が強調されてきた。コミュニケーション能力育成のための方法の一つとしてコミュニケーション活動が注目されている。この論文では、「教師がコミュニケーション活動を作り上げる際、どのようなことに気を付けるべきか」という問いをもとに、コミュニケーション活動について考察していく。

Chapter I What Communication Skills Are

 第1章では、コミュニケーション能力を定義する。この論文においては、コミュニケーション能力を「その言語を使わなければならない場面で、すでに習得した知識や能力を最大限に使って、その場面を切り抜ける力」と定義する。

Chapter II Specific Important Points for Creating Communication Activities

 第2章では、コミュニケーション活動に必要な要素について考察したのち、教師がどのようにコミュニケーション活動を作り上げるべきかについて考察する。教師がコミュニケーション活動を作り上げる際に注意を払わなければならない事柄を以下の4つ挙げる。
 1. Information gap
 2. Inevitability of transferring information
 3. Students' background knowledge
 4. Authenticity
また、コミュニケーション活動を作り上げる際の留意点として、グループで作り上げること、ALTの協力のもと作り上げること、作り上げたコミュニケーション活動を蓄積していくことなどを取り上げる。

Chapter III Connection between English Education at ES and JHS

 第3章では、この論文の対象学年が中学1年生であることから、小中の英語教育の接続について考察する。小学校では、基本的に文字が扱われることがなく、子どもたちが中学校に入って文字に触れた時に戸惑いや難しさを感じ、英語嫌いになることも少なくない。そういった事を防ぐために、中学1年生におけるコミュニケーション活動において、子どもたちが小学校で習った単語・発音を積極的に取り上げることで、子どもたちのモチベーションを保つことができるのではないかなどの提案を行う。

Chapter IV Two Communication Activities

 第4章では、コミュニケーション能力育成に効果的であるとともに、コミュニケーション活動に必要な要素を含んでいると考えられる活動の実例を1つ挙げ、考察する。そして、これまでに述べてきたことを踏まえ、コミュニケーション活動を1つ創作する。

Conclusion

 効果的なコミュニケーション活動を作り上げるには、より活動を現実のコミュニケーションに近づけること、そして子どもたちが持っている知識を利用し、興味関心を引き付ける工夫をすることが必要であると考えられる。