Language Acquisition through Immersion Education
(イマ―ジョン教育を通した言語習得)

63期 AII 類 T. N.

Introduction

 今まで、日本人に実践的英語力が不足していることについて議論されてきており、より使える英語を身に付けられる教育が進められるようになった。その中で、実践的英語力を重視したイマ―ジョン教育への関心が高まっているのである。この論文では、イマ―ジョン教育を詳しく調べ、そこからヒントを得て、今の英語教育に何が必要であり、どう生かしていくかを考える。

Chapter I

 第1章では、イマ―ジョン教育の歴史や方法などのディテールについて述べた。イマ―ジョン教育は第二言語習得法の一つで1965年にカナダで始まる。第二言語だけを学ぶだけでなく、第二言語を用いて他の算数や社会などの教科も学ぶ教育である。第二言語だけの環境に生徒を浸して、第二言語習得していくのである。臨界期仮説に基づいて、小学1年生から始めるトータルアーリーイマ―ジョンが特に効果的であり、日本を含め世界中で広まっている。第二言語の実践力だけでなく発言への自信といった人間力も高められるメリットもあるが、文法の欠落やアイデンティティの形成に乱れが生じる問題点もある。

Chapter II

 第2章では、実際にイマ―ジョン教育を実践している加藤学園暁秀中・高等学校を訪れ、観察し、感じたことを記した。授業を通しての生徒や教師の様子、教室の雰囲気を肌で感じ、使える英語のため効果的な指導法のヒントを得たと感じた。授業では、普通教育とは異なり、単元の内容を、英語を通して考え、学んでいるため、生徒も高い実践的能力が備わっており、英語を話すことに自信を持っていた。

Chapter III

 第3章では、実践的英語力を高めるためにこれからの英語教育に何が必要であるか提案する。1つ目は、有能な教師の確保するための場や機会を増やすことで、まずは知識だけでなく実際に英語を使えるような教師を増やしていくべきである。2つ目はより早い段階で英語教育を始めることである。教師の確保など問題が多いが、臨界期や発達段階から考察して、6歳くらいから開始することを提案する。最後は、より英語の授業の中で生徒の発言回数を増やし、その日の授業で覚えたことだけを使わせるのではなく、常に会話表現を練習する機会がなければならないと使える英語は身につかないのではないかと考える。

Conclusion

 これからの英語教育では、使える英語を子どもたちに指導していくためにより教師をはじめとして多くの機関とサポートし合い、連携を取る必要がある。またそれぞれの教師も一方的な授業ではなく、生徒が主体となって英語を学べる授業を展開していくべきであろう。