Teaching Writing to Junior High School English Students
(中学校における英語学習者へのライティング指導法)

63期 AII 類 C. I.

Introduction

 中学校の英語の授業において、英語で書くということに苦手意識を持つ生徒や、日本語訳が示されているにも関わらず全く書けない生徒に焦点を当てる。考えられる原因の1つとして、日本語と英語の語順の違いに着目する。その他にも考えられる問題を取り上げながら、実際に中学校の英語の授業ではライティングはどのように指導されているのか調査を行うことにした。調査結果や取り上げた問題を基に、ライティングに対して手も足も出せない生徒に効果的な指導法はないか提案していく。

Chapter I  Main Problems in English Writing

 この章では、ライティングに苦手意識を持つ生徒が抱える問題は何か、について述べている。まず考えられるのが日本語と英語の語順の違いである。「トムがボールを蹴った。」という文で、日本語は主語・目的語・動詞の順で並んでいる。一方で、この文を英語に直すと"Tom kicked the ball."というように、主語・動詞・目的語の順になってしまう。したがって、もし和文英訳の問題が出されたとしても、英語の語順が分からなければ書くことができない。次に、時制である。過去・現在・未来でそれぞれ使う動詞の形や、後につく語句が異なるので、どの時制で書かなければいけないか考えることが必要となる。3つ目に動詞である。どの動詞がライティングの際に必要とされているか分からないのではないかと考えられた。ある英語の教科書はライティングの練習ができるページは復習部分にしかなく、学習者に十分なライティングの機会が与えられていないのかという疑問を抱いた。そこで実際に英語を学ぶ中学生にライティングについての意識調査を次の章で行った。

Chapter II  An Analysis of the Result of My Questionnaire

 この章では、中学3年生32人を対象にライティングに関する調査を行い、結果を分析している。結果に基づき、ライティングを行う際の問題点や授業でどのように取り組むのか、更には英語の4技能の中でのライティングの位置づけはどのようになっているのか明らかにし、効果的な指導法を考えていく上での問題点や課題を挙げた。また、調査を行ったことで、第一章でたてた仮説が実際には異なるということも分かった。ここでの結果を基に、次の章で指導法について述べていく。

Chapter III Specific Suggestions to Improve Students' Writing Skill

 この章では、文献や第二章でのアンケート結果を基に、ライティングに苦手意識をもつ生徒が取り組みやすいと感じてもらえるような指導法を提案している。語順の違いを解消する方法や、発音練習と同時に行う指導法に、どんなことでも良いのでその日にあったことを書く宿題としての英文日記などをあげている。どの方法も、英語でのライティングに手も足も出ないという学習者を対象にしているものといえる。まずは一文だけでも自分の力で書くということを目標とすることに意識をおいた。

Conclusion

 英語のライティング能力の向上には時間がかかるということが言える。容易に書けるようになるものではない。そのためには継続して練習を行う必要があり、同時に教師にも高いライティング能力が求められる。ライティングに苦手意識を抱いている生徒も、書けるという実感を得ることが出来れば、前向きにライティングに取り組めるようになるのではないだろうか。この論文で紹介した指導法が、いつか実際に活用できればと考える。