On Problematic Issues in the English Pronunciation of Japanese Junior High School Students
(日本人中学生の英語発音問題)

62期 AII 類 S. M.

Introduction

 この卒論では、学習指導要領と教科書での英語発音教育の扱いを明らかにし、日本人中学生の英語の発音の問題点を見つけ、どのように発音練習や発音指導を行うべきか述べていく。日本人中学生にとって、正しい英語発音を習得するのは難しい。なぜなら、英語には日本語とは全く異なる音やリズムがあるからだ。しかしながら、正しい発音の習得は、英語話者とのコミュニケーションを円滑にし、英語を話すことに自信を持つことができる。教師もまた英語発音の指導をおろそかにしてはいけない。限られた時間の中で、教材を用い適切な発音指導が求められる。

Chapter I Teaching English Pronunciation in Japanese Junior High School

 この章では、中学校学習指導要領と検定教科書(New Crown, New Horizon, Total English)での発音の扱いを分析した。学習指導要領には、5つの項目(現代の標準的な発音、語と語の連結による音変化、語,句,文における強勢、文における基本的なイントネーション、文における基本的な区切り)が挙げられていた。教科書での英語発音の扱いは、全体的に見て少なかったが、発音を学ぶ際に役に立つコラムが見られた。また、それらの扱いから、英語一つ一つの音よりもプロソディーの扱いに重点が置かれていることが分かった。

Chapter II How Japanese Junior High School Students Pronounce English

 この章では、三重大学付属中学校の授業を録音し、中学生の発音の問題点を、強勢、イントネーション、語と語の連結、区切り、個々の音の面から分析した。日本語による影響が大きく、正しい英語発音ができていないことが明らかになった。他にも、発音練習の機会の不足や発音を学ぶ環境に原因があることが分かった。

Chapter III Strategies to Improve English Pronunciation

 この章では、日本人中学生の英語発音を向上させるにはどうすればよいかを提案した。生徒は学校での授業だけではなく、普段から英語に触れる機会を増やしたり、発音練習をしたりすることが大切である。また教師は、生徒が恥ずかしがらず、自信をもって発音させる環境やフォニックスやゲームを取り入れながら、楽しく発音を学ぶ機会の提供が重要だということを述べた。

Conclusion

 英語の発音を適切に学ぶためには、日本語と英語の発音の違いを知ることが必要である。さらに、授業内外での発音の反復練習が重要だということが分かった。適切な発音を学ぶことによって、スピーキング力、リスニング力、そしてコミュニケーション能力をも高めることができる。生徒にとって発音練習は困難なこともあるが、教師が教科書をうまく利用したり、興味深い教材を使いながら、英語発音に対する抵抗をなくしていかなければいけない。