Suggestions for Foreign Language Activities at Elementary School
(小学校外国語活動に対する提案)

62期 AII 類 M. K.

Introduction

 国際化が進む現代において、外国人と関わる機会が増えてきている。日本で外国人が住むようになったり、働くようになったりしている。日本の小中高等学校、特別支援学校に在籍する児童生徒も増え、異文化を背景とする人々との関わりを持つことは、いまや多くの国民に求められることといえる。この論文では、異文化を背景とする人々と関わる態度を児童が養うために、小学校外国語活動に対する提案をする。

Chapter I What is Culture?

 第1章では、「文化」とはどのようなものであるのかという観点から、異文化理解教育において必要なことを考える。文化というと、私たちは国の習慣や食べ物を思い浮かべがちである。文化とはそういった目に見える部分のみではなく、それらの元になる考え方や価値観など目に見えない部分も指す。したがって異文化理解養育では表面的な理解に終わるのではなく、見えない文化の学習も必要である。小学校という年齢を考えると、彼らの視野を広げ、表面的な文化について様々な角度から考える態度を養うことが求められると考える。

Chapter II Problems in Cross-Cultural Communication and Multicultural Education

第2章では、異文化コミュニケーションにおける問題点となる二つの態度について考え、そうした態度を持たせないために求められることについて考察する。一つ目は自文化を中心に文化に優劣をつける自民族中心主義である。もう一つは、偏見を生み出す元になるステレオタイプである。こうした態度を持たないためには、自文化を知り、自文化を相対的に見ること、異文化教育のなかでステレオタイプを植えつけないことが重要である。表面的な異文化理解教育にとどまらず、その理由となる考え方などを知ることも求められると考える。

Chapter III Suggestions for Current Foreign Language Activities

 第3章では、外国語活動に対する提案を行う。表面的な異文化理解教育に終わらないために、児童たちが文化について調べ、まとめ、発表することを提案する。こうした活動は文科省が推奨する言語活動の充実を満たすものである。表面的な文化を支える価値観やなどに気づくことで、視野を広げることも可能である。また、社会科など他教科と関連させることで知識の定着を助けることもできる。調べた文化と同じ観点から日本文化について再考することで自文化を相対的に見る態度を養い、文化相対主義的な考えを養うことができる。

Conclusion

 国際化が進む現代において、英語を話せることだけが求められることではなく、むしろ英語を話せるだけでは不十分である。異文化を背景に持つ人と良好な人間関係を築くには、相手の文化に目を向けること、自文化を絶対視せず、文化に対する偏見に寄らず一個人として相手を見るという、コミュニケーションの根幹となる部分を忘れてはならない。