A Suggestion for the Ways of Teaching English to JHS Students with LD in Japan
(日本における学習障害を持った中学生に対する英語指導法の提案)

61期 AII 類 Y. N.

Chapter I Learning Disability

 この章では、LDとは何か、LDの種類、LDを持った子どもに起きうる2次障害等について述べた。LDとはLearning Disabilityの略であり、簡単に言うと頭がいいのにもかかわらず、本がうまく読めなかったり、計算できなかったりするなど、日本では学習障害と呼ばれる。今回ここでは言語的LDと非言語的LDの大きく2種類に分類した。言語的LDの症状は書字障害や難読症などであり、非言語的LDの症状は計算障害や推論を苦手とするものである。

Chapter II The Actual Condition and Corresponding in Regular School

 この章では、小中学校の教職員の方々に行ったアンケート調査についてまとめ、考察した。文部科学省が2002年、2012年に行った調査では通常の学級に在籍する学習障害であると思われる児童生徒は全体の4.5%の割合であった。しかし、本アンケートの中では20~30人に1人、10~20人の中に1人の割合で学習障害の児童生徒が通常の学級に在籍していると回答された先生方が多く、さらに指導方法が明確ではなく具体的指導方法がわからない、学校側の体制も整っていなく、その場しのぎの指導になってしまうという意見が多かった。

Chapter III The Ways of Teaching and Support in Regular School

 LDの児童生徒への指導の重要事項にMuta (1998) は次の4点を挙げている。
(1) 児童生徒の性格やその子どものいる環境の把握
(2) 必要な指導目標を考慮
(3) その目標に応じた指導方法の選択
(4) 評価方法の決定

 また、アンケート結果の中から先生方に答えて頂いた実際の対応例などをもとに英語の授業の中での効果的指導法について、以下の4点を挙げた。
(1) 視覚的教材の使用
(2) フォニックス指導の導入
(3) 英語を使ったゲームやアクティビティの種類選択
(4) TPR (Total Physical Response)

Conclusion

 教員には対応すべき課題がたくさんある。周囲からは理解されがたい学習障害児童生徒への学習指導は、教員が必ず直面する課題の1つである。学習障害には多くの症状があり、その児童生徒にとってのベストな指導方法は個々によって必ずと言っていいほど異なる。しかし、その中で最も大切なことは、その児童生徒のために考え、学習障害について理解し、サポートしようと試みることである。