A Study of Methodology of Foreign Language Activities
(外国語活動の方法論の研究)

61期 AI 類 S. T.

Introduction

 2011年から外国語活動は小学校へ導入されている。しかし、一方で教師たちの中には、どのように外国語活動を進めていくべきか迷っている者もいる。そして、文部科学省が定めた外国語活動の目標は、「外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う」と定めているが、現状は、目標の捉え方が各学校、教師たちによって差が出てきている。
 そのような現状を考え、小学校における外国語活動をどのように進めていくべきか考えていこうと思う。また、この外国語活動で初めて英語の触れる児童もいる。そのような児童たちにいかに抵抗感なく英語に慣れ親しませるかを考えたいと思ったのがこの卒論を書こうと考えた動機である。

Chapter I

 この章では、副教材として配られている ‘Hi, Firends!1, 2 ’についての分析とそれに関連して、日常から英語を取り入れていく方法を考える。また、外国語文化を通して英語に抵抗感なく慣れ親しませていくかを考えていく。
 "Hi, Friends 1, 2"とは、外国語活動のための副教材として配られているものである。これは、教師が外国語活動をするにあたっての一つの指針となるだろう。しかし、目的なくこの教材を使うと児童にとって外国語活動は、興味の持てないものへとなってしまう。そのため教師は、どのようにこの教材を使っていくかを考えて授業計画を立てなければならない。そのためにまず児童の身近な所から外国語に慣れ親しめていくべきだと考える。よって私は、児童に外国語に慣れ親しませるために日常生活の言語から外国語に興味を持ってもらう方法を提案する。例えば児童が日常で使う挨拶などである。日常の言語を英語ではどのように表現するのか、とういう疑問を児童に持たせ、積極的に英語を学ぶ姿勢を身につけていく。もう一つは、外国の文化から英語を学んでいく方法だ。日本の文化の中に定着している文化で外国から入ってきたもの(クリスマス、バレンタインデー等)を取り上げ、日本で行っている行事は外国とどのような点で同じでどのような点で異なっているかを児童に示し、実際に外国の文化を体験させそこで使われる英語表現などを学ばせる。このような実際に子ども達に経験させ外国語に慣れ親しませていく。

Chapter II

 この章では、外国語活動の効果的な教授法とそのためのクラスの雰囲気作りについて考える。英語を学んだことのない児童にとって外国語活動の時間は他の教科の時間より不安感や抵抗感を感じることがある。よってそれらの不安を取り除くために教師は外国語活動で活動しやすい環境を作っておくことが必要である。
 それらの環境が整った時に様々教授法が効果的に働くと考える。ここで取り上げる教授法は、(1) Audio-lingual method、(2) Total Physical Response と (3) Story-based Approachの三つである。(1)では、パターンプラクティスなどのドリル的活動や歌やチャンツを、(2)では、体を使ったゲームを、(3)では、物語をベースにした活動を紹介している。それぞれの教授法には、長所と短所がある。教師は一つの教授法に頼るのではなく、担当するクラスの雰囲気や外国語活動で行うゲームや活動に合わせた教授法を活用すべきである。よってこれらの教授法を担当クラスに合った方法で活用していくことが教師に求められる。

Chapter III

 この章では外国語活動に置いての文字の扱いについて考えていく。文字指導については、「外国語でのコミュニケーションを体験させる際には,音声面を中心とし,アルファベットなどの文字や単語の取扱いについては,児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニケーションを補助するものとして用いること」と定められている。つまり、文字指導は、児童の負担にならず英語理解を補助するものとして扱うようになっている。ここでも各学校での差が生じる恐れがある。
 また教師は、どのようにアルファベットや英単語を扱うか考えていく必要がある。児童の負担とならない程度を考える一方で、中学校との連携ということも考えなければならない。中学校では本格的に文法指導、英単語指導がある。よって中学校に進学しても児童が英語に抵抗感を持たないようにある程度の文字指導が必要となってくるだろう。

Conclusion

 英語を勉強したことのない児童にとって外国語活動は、初めて英語に出会う時間となる。その時に教師は児童にいかに抵抗感なく英語について学ばせていくかを考えなければならない。明確な目的を持たず指導することや、ゲームや遊び中心となってしまう指導では外国語活動を有効利用できていえるとはいえない。どのように外国語活動を進めていくかその方法や外国語活動の目的をしっかり教師自身が見定めて外国語活動にのぞむ必要がある。そして、児童が積極的に外国語活動に参加できるような教材や指導法を考え続けなければならない。