How to Improve Reading Skills in Junior High School
(中学校における英文読解力の改善法)

61期 AII 類 A. M.

Introduction

 私自身の教育実習やボランティア等の経験から、子どもたちの中には英文法の理解ができる一方で、英文読解が不得意な子が多いこと、英文を読むこと自体が苦手な子が多いことに気づいた。そのためこの卒業論文では、中学生が英語の授業を通して、効率よく英文を読む力を向上させられるような指導法を考える。さらに、その指導法を中学校で実践し、結果を分析して更なる改善を図り、読解指導において重要な点を見出す。

Chapter I Three Steps to Be Proficient Readers

 英文読解力を向上させるための段階について学び、それぞれの段階でどのような指導が必要なのかを考える。段階は、(1) 表層的記憶、(2) 命題的テキストベース、(3) 状況モデル、3つである。第1章では主に上記の段階(1)と(2)について書く。表層的記憶では、語彙学習が重要となる。現在、英語の授業で行われている語彙学習の問題点を挙げ、その改善方法を考える。命題的テキストベースにおいては、チャンクを用いた読解練習法を紹介する。

Chapter II To Read between the Lines

 第1章に示した段階の内、この論文において最も重要な状況モデルについて解説する。さらに、子どもたちが英語の授業を通して読解力を向上させるためには、本文についての教員の発問が有効であるかもしれないと私は考える。特に子どもたちに本文内容についてより深く考えさせられる発問として、推論発問を挙げ、読解の授業における推論発問の重要性について実際に発問例を挙げながら述べる。

Chapter III Practices in a Junior High School

 第1章と第2章で得た読解力向上のための理論的な知識を基に、実際に語彙力・読解力向上のための指導案を作成する。指導案の内容を細かく解説し、どのような授業内容を実践するのかを明確にする。ある中学校でその授業実践を行う際に、子どもたちの理解度や感想等を見るためのアンケートを取り、授業中の子どもたちの反応とそのアンケート結果を分析して、読解の授業において注意すべきことや重要なことについて考察していく。

Conclusion

 第3章で出た実践結果を通して、私が学んだことや未だ改善に至っていない問題について述べる。具体的には、新たに発見した現在の語彙学習における問題点、推論発問の作成において重要な点、そして、読解の授業に活気を持たせるために必要な事柄についてである。この卒業論文を通して学んだことを、これからの生活に活かし、またこれからもさらに良い指導法を見つけられるよう勉強し続けていきたい。