A Study of the Effects of Music Use on Learning English
(英語学習における音楽の効果に関する研究)

60期 AII 類 M. M.

Introduction

英語学習において音楽は頻繁に使用される。音楽が身近にあった自身の経験から、本論文では英語学習に音楽を使用することの効果や中学校教科書に掲載されている音楽を調査し、その使用法について提案することを目的としている。

Chapter I

英語学習に音楽を使用することで、様々な効果が期待できる。音楽が好きな学習者にとって、音楽の使用は英語への抵抗感を下げるといった動機づけの効果や、'Twinkle Twinkle Little Star' の音楽に乗せることで、アルファベットの順番を覚え易くする 'ABC Song' を例とした記憶に関する効果、ある文法表現を学習する際、その文法表現を歌詞に含む音楽が使用できるといった言語効果について述べる。

Chapter II

中学校における英語の授業に焦点を置き、中学校の学習指導要領で重要視されている4つの技能「聞く」「話す」「読む」「書く」に関して、それぞれの技能に対応する音楽の使用法について述べる。これらの技能へは個々に対応するものではなく、授業で音楽を扱う際には4つの技能について複合的に考えなければならない。

Chapter III

過去6回分のNew Crown English Seriesに掲載されている音楽を調べ、その傾向を考察する。音楽の系統はマザーグースなどの童謡や民謡といったものからポピュラー音楽へと、生徒にとって馴染みのある音楽に変化している。また、2011年に改訂された英語教科書6つを取り上げ、それらに掲載されている音楽を比較する。どの教科書にも主にポピュラー音楽が掲載され、'Sing' は6つすべての教科書に掲載されている。どの音楽もゆっくりとしたテンポや容易な歌詞などといった特徴が共通して見られる。教科書に掲載される音楽の選択基準を「生徒が自ら歌える」「歌詞について考えられる」「言語の違いについて気付くことができる」の3つに分類する。最後にこれらの基準を踏まえて、授業で使用できる音楽について新たに提案する。

Conclusion

英語学習において音楽は様々な影響を与えるものである。授業に音楽を取り入れる場合は、その目的などを明確にしなければならない。この論文で明らかとなった音楽使用の効果や特徴を踏まえこれからも効果的な音楽の使用法について考えていく。