Forming the Foundation of Communication Abilities in Foreign Language Activities
(外国語活動におけるコミュニケーション能力の素地の形成)

60期 AII 類 Y. S.

Chapter I What are Communication Abilities?

この章では、第一に、コミュニケーションという言葉の定義について考察する。コミュニケーションとは、言葉を用いて会話をするという行為に限らず、文字またはジェスチャー等も用い、互いの感情や思考を伝え合うということも含まれるようである。次に、コミュニケーション能力について考察する。コミュニケーション能力は‘communication competence’とも呼ばれ、さらにgrammatical competence, sociolinguistic competence, discourse competence, strategic competenceの4つの技能に区分される。これら各技能の特徴を調べ、また、それらの技能が使用される場面についても考察していく。

Chapter II The foundation of Communication Abilities to Foster in Foreign Language

この章では、小学校学習指導要領・外国語活動編やその解説を分析し、外国語活動の目標となっている「コミュニケーション能力の素地」とはどのようなものであるのかについて考察していく。「コミュニケーション能力の素地」とは大きく「言語や文化について体験的な理解」、「コミュニケーションに対する積極的な態度」、「外国語の音声や基本的な表現への慣れ親しみ」の3つから構成される。ここで、中学校学習指導要領・外国語科を参照すると「コミュニケーションに対する積極的な態度」が最も重要視されていることがわかる。この態度を育むには、Chapter 1で挙げたcommunication competenceの内、strategic competenceが重要であると仮定し、strategic competenceについて詳しく考察を深める。

Chapter III How to Foster pupils’ Communication Abilities

この章では、Chapter 2において、児童のコミュニケーション能力の素地を育むに最も効果的であると仮定したstrategic competenceについて、外国語活動内でどのように児童に身に付けさせ、伸ばしていくのかについて考察する。児童のstrategic competenceを育むためには、第一に、児童がコミュニケーションの必然性を感じ取る必要があると仮定する。そのためには、外国語活動で行われるコミュニケーション活動は、形式的であってはならず、児童にとって不可避的かつ現実的な場面設定でなければならない。そこで、インフォメーションギャップの活動を通して、児童が日常的な場面設定においてコミュニケーションを図るよう準備し、その過程で、児童が自分たちの持つ語彙に限らず、表情やジェスチャーを通してコミュニケーションは図る楽しさを感じられるように指導することが大切であるということがわかる。