The Relationship between Memory and Sounds
(単語の暗記における記憶と音声の関係)

58期 AII 類 S. N.

Introduction

語彙の知識は英語を使いこなす上で重要な知識である。学生たち英単語の意味や綴りを暗記するために多くの時間を使う。この論文では英語の音声に焦点を当てながらより多くの単語を記憶するための効率的な方法を考えていく。そのためにまず、人間の記憶のしくみについて整理する。その後、学生の英語に対する関心・態度等を分析しながら英語教育における音声の重要性について議論する。

Chapter I

この章では、記憶の定義やしくみについて明らかにする。Millerの提唱したメモリースパンやCraikとLockhartが定義したリハーサルをどのように英語教育に活用できるか考察する。また、短期記憶のであるともいわれているワーキングメモリの三要素(音韻ループ、視覚・空間スケッチパッド、中央実行系)に注目し、音声、文字、双方の重要性を述べる。

Chapter II

この章では、英語学習についてのアンケートを中学生、高校生、大学生合わせて125人に実施し、その結果を分析する。単語の記憶に関しては単語が得意だと答えた生徒の方が音声を使って学習している割合が高いことを明らかにする。さらに単語学習においての音声の有無がどのように影響するか、実際に単語テストの結果を統計的に分析する。

Chapter III

この章では、1章、2章で述べたことを踏まえ語彙指導、語彙習得における音声の役割について考察する。実験や経験から音声と文字にはそれぞれの役割があり、効果的な学習のためにはどちらも欠かせないということを明らかにする。また、小学校における英語の取り扱いや中学校での語彙の指導の仕方、単語テストの構成の仕方について述べる。

Conclusion

語彙習得のみに留まらず、英語教育において音声を積極的に使用していくことは大変効果的であると結論付ける。それは文部科学省が定めている4技能(読むこと、聞くこと、書くこと、話すこと)をバランスよく習得することにもつながると考える。