Significance of Teaching Debate in Higher Education
(高等教育における英語ディベート導入の重要性)

58期 AII 類 Y. K.

Introduction

私は、ESS (English Speaking Society) でアカデミックディベートを行ってきた。アカデミックディベートとは、ある命題に対し、参加者が肯定側と否定側に分かれ、第三者であるジャッジを説得するというゲームである(議論は英語で行われる)。私はこの経験を通し、ディベートは英語力を向上させるだけでなく、論理的思考力や情報収集能力なども向上させることができると考えた。このように教育的効果の高いディベートを、教育現場に導入することは有益なことであると考えたので、私は今回の論文で、高等教育(大学)におけるディベートの導入について考えることにする。

Chapter I

この章では、(1)アカデミックディベートの定義 (2)海外と日本のディベートの歴史 (3)海外(アメリカ合衆国)と日本国内におけるディベートの現状を明らかにする。

Chapter II

この章ではディベートの教育的効果とディベートの課題を考察する。ディベートを行うには多くの議論を準備することが必要になり、その際に英語の本などを多く読むことになるので、リーディング力が向上する。ディベートの試合は全て英語で行われるので、自ずと英語を話し、聞き取る能力がつく。また、議論作成の際には、たくさんの文章を英語で書くことが必要であるので、ライティング能力は大きく向上するだろう。ディベートはジャッジをより論理的に説得できた側の勝ちとなるため、議論を作成する際には、その議論がいかに論理的であるかを追求しなければならない。この過程を通して、論理的な思考力が養われる。高等教育にディベートを導入する際の課題として、大学の授業という限られた時間で、学生たちが議論の準備や試合を行わなくてはならないということが挙げられる。学生たちが準備や試合を十分に行うことができなくては、ディベートの持つ教育的効果は半減してしまう。

Chapter III

この章では授業の構成と授業で行う試合のルールを考察する。大学の授業ということで、半期の15限授業を構成する。受講人数は18人前後とする。この人数は、肯定側と否定側の参加者が1組ずつ(2人×2組=4人)とジャッジをする参加者(2人)の合計6人のグループが3組ほどできる数である。試合のルールは、実際に大学間ディベートで用いられているものを簡略化して使用する。

Conclusion

私は今回の卒論執筆を通じて、大学へのアカデミックディベート導入が、英語力や論理的思考力の向上など様々な教育的効果をもたらすことを確信することができた。将来、多くの大学でディベートの授業が導入されることを望み、この論文を終える。