Developing Students' Positive Attitudes in English Activities in Elementary Schools
(小学校英語活動に対する児童の積極的な態度の育成を目指して)

57期 AII 類 K. N.

Introduction

2011年から小学校第5・6学年において外国語活動が必修化される。そのような状況において、小学校段階の児童が、英語に対する積極的な態度を身に付けることは非常に重要なことであるように思われる。この論文では児童の英語に対する積極的な態度を育てるための効果的方法を考えていく。そのためにはまず、児童が英語に対する意欲を失う原因にはどのようなものがあるのかを整理する。その後、それらの原因を踏まえて、児童が英語に対する積極的な態度を身に付けるための具体的な改善策を議論する。

Chapter I

この章では、小学校英語活動の実態を考察する。最初に、小学校で英語活動が導入された経緯や、英語活動の実施率は児童の学年が上がるほど高くなること、などを述べる。次に、文部科学省が示す小学校英語活動の方向性を確認する。最後に、小学校英語活動において高学年になるほど児童の英語への意欲が薄れているという問題を指摘する。

Chapter II

この章では、高学年児童が英語への意欲を失ういくつかの要因のうち、自身の仮説に合致する3つの要因について考察する。1つ目の要因は、児童が自信を失うことである。さらに、児童が自信を失う原因として、知的発達と英語の能力との間に差があること、児童が英語活動中に不安を感じること、以上の2点を述べる。2つ目の要因は、高学年という発達段階の特性である。ここではさらに、ピアジェの分類をもとに、高学年という時期と、英語活動への意欲との関係性を探る。3つ目の要因は、文字指導である。ここでは、英語活動において文字を指導することと、英語活動への意欲との関係性を考察する。

Chapter III

この章では、児童が英語に対する積極的な態度を身に付けるための具体的な改善策を考察する。第1に、児童に自信・達成感を感じさせる方法を考える。ここではさらに、自己表現するには低い英語のレベルでも、児童が自己表現をすることができる機会を多く設ける工夫をすること、児童が英語を自主的に使うことで達成感を感じさせる工夫をすること、などについて考察する。第2に、児童の発達段階に応じた効果的活動について具定例を交えて議論する。第3に、小学校における英語活動で文字を指導する場合の留意点について考察する。

Conclusion

小学校高学年児童の英語に対する意欲を高め、将来的にも続く英語への積極的な態度を身に付けさせるためには、次の3つのことが必要であることを述べる。まず、英語活動中で自己表現をさせて達成感を感じさせること。次に、発達段階に応じた活動を行うこと。最後に、文字を導入する場合は聞く・話す経験を十分させた後に段階的に指導すること。本論文では高学年児童が英語への意欲を失う原因として、高学年に焦点を当てて原因を考察したため、低・中学年に焦点を当てて原因を探ることができなかったという課題があることを述べ、この論文を終える。