The Importance of Intercultural Instruction in Teaching English
(英語教育における異文化教育の重要性)

56期 AII 類 M. T.

Introduction

異文化教育は日本の英語教育においてますます重要視されてきています。教育実習などの経験から、実際に異文化に興味を持つ生徒が多いことを知り、異文化についての興味が英語そのものへの興味にも繋がると考えるようになりました。この論文では、異文化教育がなぜ重要であるかを述べ、英語教育において効果的に異文化教育を行なう方法を考察しました。

Chapter I

この章では、文化についての様々な理論を研究し、異文化理解教育の利点について考察しました。その中で、様々な文化に対して公平な態度をとる文化相対主義の大切さを実感し、言語と文化が密接に結びついていることや異文化について知ることが英語学習の動機づけとなることがわかりました。また、学習指導要領の中でも異文化教育が重要視されていることも明らかになりました。

Chapter II

この章では、実際に中学校で使われている英語の教科書を分析しました。教科書の中には多くの異文化情報があり、その情報は英語圏の国(inner circle)だけではなく、第二言語として英語を話す国(outer circle)や外国語として英語を話す国(expanding circle)についても取り扱っていることがわかりました。このことから、生徒は教科書から様々な文化について知ることができ、自国の文化に気付き、文化による差異を理解していくことができるようになると考えました。

Chapter III

この章では、教科書を用いない異文化教育として教師に何が出来るかを考察しました。異文化の存在であるALTとの授業、教師の異文化体験を伝えること、異文化を紹介する教材の利用、外国人とコミュニケーションする機会を与えることの4つの方法を提案し、このような異文化教育により、生徒が興味を持って楽しく英語が学べるようになると主張しました。

Conclusion

これまで議論した内容を振り返り、生徒の英語学習への興味を高め、楽しく効果的な英語学習を行なうためには異文化教育が大変重要であると結論づけます。生徒に英語を教えるだけではなく、異文化について知る機会を与え、生徒が英語を通して自分の世界を広げられるように手助けをすることが英語教師の役割であると考えます。