Usefulness of Picture Books in English Education in Elementary School
(小学校英語教育における絵本の有用性)

56期 AI 類 A. I.

Introduction

小学校英語教育にふさわしい教材のひとつとして、絵本を挙げることができる。現在、小学校英語教育では教科書が使用されておらず、その予定もないが、絵本は小学校英語教育の教科書的存在になりうると考える。絵本には小学校英語教育にふさわしい特徴があると思われる。例えば、絵本に描かれている外国の絵や魅力的なストーリーは子どもたちを引き付け、子どもたちの英語を学びたいという欲求を高めるに違いない。そして、子どもたちは授業外でも気に入った絵本を読むことができ、絵本は子どもたちに英語に接する機会を与えてくれるだろう。この論文では、小学校英語教育において、絵本が有効で必要不可欠な教材であることを示す。

Chapter I Picture Books as a Bridge to English Education in Junior High School

この章では、絵本が英語教育の小中連携に果たす役割を考察する。文部科学省による小学校英語教育の方向性を確認した後、小学校英語教育と中学校英語教育間で起こるギャップを縮めるために絵本が有用であることを述べる。絵本の読み聞かせでリスニング能力を養うことや、読書習慣を身につけること、自然な形で英語という言語を知り、アルファベットに触れることなど、これらの経験を小学校段階の子どもたちにさせることで、中学校英語教育において、子どもたちがより意欲的に英語を学ぶことができると期待する。

Chapter II The Merits of Picture Books for Children

この章では、いくつかの絵本の例を挙げながら、絵本の特徴と、絵本が子どもたちに与えるメリットについて考察する。絵本は子どもたちが絵本の内容を理解することを助けたり、子どもたちの英語の発音練習に最適な教材となったりすることができる。さらに、絵本は子どもたちの英語学習への動機付けを高めるだけでなく、彼らの心の発達や成長を促すこともできる。

Chapter III Using Picture Books as Teaching Materials in English Lessons

この章では、英語授業における絵本の活用法や絵本を使って授業を行うときの教師の役割について述べる。教師は、英語授業に適した絵本の選択をすることが大切であり、さらに、絵本の読み聞かせをする際には、子どもたちがより絵本を楽しむことができるよう働きかけることが重要である。また、The Very Hungry Caterpillarを例として取り上げながら、一冊の絵本でさまざまな種類の英語活動ができることを論じる。

Conclusion

この論文では、小学校英語教育において絵本が有用な教材であることを論じてきた。しかし、教師が絵本を有効に使うためには、子どもたちの様子やクラスの状況を把握し、授業で扱う絵本についても事前に細部まで理解している必要がある。また中学校で英語を学ぶ子どもたちにとって、絵本を使ったどのような英語活動が望ましいか、という問題はこれから先も考え続けるべき課題であり、小学校英語教育の本格的な導入時期が近づいている今、 この論文で述べてきた絵本の有用性は小学校英語教育に大いに役立つものであると考える。