How to Increase STT (Student Talking Time)
(生徒が話す時間をいかにして増やすか)

55期 AII 類 M. K.

Introduction

多くの日本人は、英語を読み書きすることは適度にできても、話すとなると自信を失いがちである。中学・高校と、長年英語を勉強してきたにもかかわらず、英語を話すことに自信をもてない日本人がとても多いのはなぜだろうか?そんな疑問から、この論文を書くに至った。文法中心型と言われがちな日本の英語教育を見直しながら、この論文では、授業においての 'student talk' の重要性と、それを高めるための効果的な方法を考察する。

Chapter I

この章では、学習指導要領で定められている英語教育の目的を参考にしながら、'student talk' の重要性について述べる。ここではさらに、学習指導要領の中で述べられている『実践的コミュニケーション能力』の意味や、全人教育としての英語学習の意味の二点に注目し、議論を行う。

Chapter II

この章では、ある中学校で行ったアンケートの結果を分析しながら、'student talk' を高める方法を探っていく。アンケートの結果から、大多数の生徒は、英語を話せるようになりたいと望んでいても、授業では英語を話したくないと答えているという事実を発見し、生徒の相反する気持ちを把握する。生徒一人一人によってその理由は異なるが、ここでは「理解度に関する要因」と「心理的な要因」の2種類に分類する。

Chapter III

この章では、スピーキングに対する生徒の興味を高める方法について考える。ここでは、日頃から生徒とよい人間関係を築くこと、授業の中で生徒にとって居心地のよい雰囲気を作ること、生徒の興味を引く様々な教材を活用することの3点について議論する。その中で、ウォームアップ活動の有用性と、生徒を褒めることの大切さを強調する。

Conclusion

この論文では、'student talk' を高めるための実践的な方法を探ってきた。しかし、「生徒が英語を話す時間をどのように増やすか」という問題は、英語教師がこれから先もずっと考え続けなくてはならない問題である。教師の仕事はたくさんあるが、なるべく多くの時間を生徒と共有し、彼らの興味のあるものや、授業に対するニーズをきちんと把握してあげる必要がある。そうすることが、教師と生徒の間に信頼関係を生み出し、よい授業を行うきっかけとなるのではないか。こうして教師も、生徒とともに日々努力し続けなければならない。