Picture Books in Teaching English to Children
(早期英語教育における絵本)

52期 II 類 A. S.

Introduction

この論文における目的と構成を示す。

2002年4月から新しい学習指導要領に基づいて、小学校でも「総合的な学習の時間」を利用し、国際理解に関する学習の一環として英語活動を行なうことができるようになった。英語活動には歌、ゲーム、クイズ、ごっこ遊び等があるが、中でも「英語絵本」を用いた活動に興味を持った。幼児に絵本の読み聞かせをすることは話し言葉を豊かにする一つの促進要因となっていることが研究により示されており、絵本は幼児の語彙獲得に効果的であると考えられる。同様に小学校で英語活動を行なうにあったても「英語絵本」を用いることで語彙を身に付きやすくし、絵本の内容によっても英語活動の幅を広げることが出来るのではないかと考えた。

Chapter I The Purpose of English Education at Elementary School

この章では小学校英語教育の目的とねらい、小学校英語教育においてどのような英語活動が好ましいかを考えていく。小学校の英語活動は「総合的な学習の時間」に位置付けられており、平成10年に告示された小学校学習指導要領では「国際理解教育に関する学習の一環」とするよう示されている。しかし「国際理解」の定義は曖昧であり、どういったことを「国際理解」ととらえるかは個人差がある。ここでは自分なりに「国際理解教育」とは何かを考え、どのような英語活動をしていくのがよいかについて考えていく。

Chapter II Features of Picture Books

この章ではChapter I で考察した小学校英語活動の目的やねらいを踏まえ、英語活動において英語絵本を用いる利点や問題点について考えていく。

Chapter III The Application of Picture Books to English Activities at Elementary School

この章では、どのような「英語絵本」を用いて、どのようにそれらを使用していくとよいかについて考えていく。小学生という時期は学年により児童の特徴が大きく異なるので学年差を考慮した英語絵本選びや使用方法を考えていく必要がある。また、英語という外国語を扱うので、学年差だけでなく、その習熟度を考慮する必要がある。絵本の使用方法は「読み聞かせ」だけではなく、その絵本自身が持つ特長によって、チャンツやTPR、クイズやゲーム、歌、ごっこ遊びに利用する、また絵本の内容を他教科に関連させる等、使用の幅を広げていくことを考える。

Conclusion

小学校英語教育は子供達に英語を身につけさせることを目的とするのではなく、子供達が英語を楽しみ、英語に興味を持ち、英語が人と人との関係を生み出すものであることを実感させることが望ましい。英語絵本はその内容から活動の幅を持たせることができる教材であり、様々な異文化を知ることができる教材でもある。