A Useful Technique in Teaching English at Elementary School:
Total Physical Response
(小学校英語教育における有効な教授法:全身反応法)

52期 II 類 S. N.

Introduction

国際化が強く叫ばれる現代において、外国の言語や文化、生活様式に触れる機会は多くあります。そんな中、幼い頃からの外国語教育、特に英語教育の必要性が重視され、英会話教室に通い、英語を学習する子どもが増えてきており、また、小学校における英語教育も積極的に行われるようになってきています。そこで、どのような教授法が小学校英語教育において効果的であるのか、考えてみることにしました。様々な教授法の中で私が注目したのは、Total Physical Response(TPR)でした。

Chapter I

小学校英語教育の現状と、小学校英語教育と中学校英語教育の違いを書きました。『総合的な学習の時間』などを利用して、英語学習を行っている小学校が増えてきています。小学校における英語教育は、子どもたちが英語の歌を歌ったりゲームをしたりして英語を楽しみ、英語に興味や関心を持つことが重要であると考えられます。

Chapter II

TPRの基本理念や特徴、教授法の例を書きました。TPRは、1960年代にJames J. Asherにより考え出された教授法であり、赤ちゃんの第一言語習得にちなんだものです。また、TPRは、どんな言語においても有効であるとされています。

Chapter III

発話を強制しないので学習者のストレスが少ないことや長期記憶に残ることなど、TPRの利点と、教師中心の授業になりがちなことや語句や文に限度があることなどのTPRの問題点をまとめました。

Chapter IV

実際にある小学校で行った英語の授業について書きました。その小学校では、『総合的な学習の時間』に選択教科として英語の授業が設けられており、前期は6年生14人、後期は5年生8人で授業を行いました。授業ではTPRを念頭に置き、歌を歌ったり、ゲームをしたりするなど、英語を通してさまざまな活動ができました。授業を進めていく中で、子どもたちから学ぶこともたくさんあり、みんなで一緒に様々な英語活動を楽しむことができました。

Conclusion

卒業論文のまとめと、自分の考えを書きました。TPRは、小学校の英語活動において有効な教授法であると言えますが、いくつかの問題点もあるので、指導者が学習者に合った方法で使用すべきだと思います。そして、TPRのみにとらわれず、様々な教授法と組み合わせ、単調にならないようにする必要があります。英語学習の主役は、子どもたちです。子どもたちが「英語っておもしろいなぁ」、「もっと英語を勉強したいなぁ」と思えるように、楽しくて意味のある活動を創っていくことが大切だと思います。