Introducing Grammar Effectively in Junior High School English Classes
(中学校におけるより効果的な文法導入)
51期 II 類 T. N.
Introduction
言語学習において、その言語の「導入」は、その言語に対する学習者の興味をひきつけたり興味をなくしたりするものとしての働きを持っているものです。文法を「英語を構成する要素」ととらえ、中学校の英語の授業において現在用いられている導入方法を、教育実習により体感したことを参考に、考察していきます。
Chapter I Transition of English Teaching
まず、現在の英語教育に辿りつくまでの英語教育の移り変わりをみていきます。英語教育は、教育目標によって区別すると、日本に初めて導入されたと思われる鎖国後から考えて大まかに次の4つの時期にわけられます。
- 鎖国後〜明治前
- 明治前〜第二次世界大戦後
- 第二次世界大戦後〜高度経済成長期
- 高度経済成長期〜現在
Chapter II Present English Teaching
子ども達を、急速に進む国際化社会、高度情報化社会で生きていく力を持った人に育てるためには、読む・聞く・話す・書くという英語の4つのスキルをバランスよく身に付けさせる必要があります。現在、従来から行われている文法訳読式の授業が生み出した、話す・聞く能力を主にしたコミュニケーション能力不足がしてきされ、オーラルを中心とした授業が展開され主流になりつつあります。
教育時実習経験を基に、文法訳読式の長所・短所、オーラル中心の教授法の長所・短所をそれぞれ検討していきます。
(オーラル中心、オーラルアプローチ、コミュニケーション活動等)。
Chapter III How to Introduce Grammar More Effectively
正確に相手に自分の意見を伝えるためには、コミュニケーションをとるという前に文法を「認識する(知る)」必要があります。Chapter 2で考察したことをふまえ、(1)必要に応じて文法導入時に日本語を用いる有効性、(2)コミュニケーション活動等の Activity の導入時における日本語の重要性、(3)英語の概念的理解の必要性を考えていきます。
概念的理解 ・・・「on=接触の概念」「 by =力の概念」「have=自分以外のものを自分の中に入れるとする概念」等。
Conclusion
英語力の向上は、4つのスキルがバランスよく身についてくことを意味します。文法の導入同様にコミュニケーション活動においても導入はとても大切です。中学校の英語の授業数は限られていますが、教育者は母語を有効的に用いたり、様々な教授方法を組み合わせたり、さらにそれを吟味し、改善・実践を繰り返して導入時における学習者の障害を可能な限り取り除く必要があると思います。