Teaching English through English: How Useful Is It?
(英語を英語で教える ― どの程度効果的なのか ―)

51期 II 類 H. D.

Introduction

近年、急速な国際化の流れと共に、コミュニケーションの手段としての英語の重要性はますます増しています。また、日本の英語教育においても、実践的・実用的な英語運用能力の育成が望まれています。この流れにともなって、従来の文法中心の英語教育(文法訳読式)に対する多くの批判があります。確かに文法訳読式の授業では細かな文法規則などを覚えることに終始してしまい、結果として実践的コミュニケーション能力の育成は無視されてきた一面があります。それゆえ、今日では文法事項の説明は最小限にとどめ、コミュニケーション活動を通して実際に使える英語の習得を目指している先生もいます。また、英語の授業を日本語の使用を最低限にとどめほとんど英語で行う先生もおられます。しかし、私は英語を英語で教えることは可能なのかという疑問を持ちました。これがきっかけとなり、日本語ではなく英語で英語を教えることはどの程度効果的なのかを卒業論文の題目にしようと考えました。

Chapter I

卒業論文の題目設定の理由について書きました。

Chapter II

2章では日本の英語教育の中心的教授法であった文法訳読式の利点、欠点について考えてみました。しばしば、文法訳読式の欠点ばかりに焦点が当てられ「しょせんは文法を勉強しても、会話には役立たない。」と言われますが、文法の習得は外国語の学習においては必要であり、実践的コミュニケーション能力の基礎になるものだと考えられます。

Chapter III

3章では「英語を英語で教える」ことは可能なのかということを考えました。その際、ダイレクトメソッド、オーラル・イントロダクションなどの教授法、指導法についても考えてみました。文法を教えるときは日本語を使うべきであるが、それ以外の時はできるだけ教師は英語を使うほうがよいのではと考えました。

Chapter IV

4章では、最近注目を集めているコミュニカティヴ・アプローチの効果的な利用法について考えてみました。この指導法では、英語を用いた言語活動を通して実践的なコミュニケーション能力の育成を目指しています。コミュニケーション活動をより効果的なものにするために、ゲーム的要素やインフォメーション・ギャップなどを取り入れることを考えました。

Conclusion

卒論を通しての、自分なりのまとめを書きました。