A Study of The Complete Tales of Beatrix Potter:
The World of Beatrix Potter and Children
(『ビアトリクス・ポター物語全集』研究 ― ポターと 子供たちの世界 ―)

56期 AII 類 M. K.

Introduction

Chapter 1 作品分析

ビアトリクス・ポターのほとんどの作品は子供たちに向けて書かれたものである。そのため、彼女の作品の中には読者に向けていくつかの工夫がなされている。それらが特徴となって、現れている。この章で扱われているのは、彼女の作品におけるポターの描いた絵、ストーリー、登場キャラクター、作品における自然の摂理、彼女自身、そして時折現れるマザーグースの歌における特徴である。ポターの作り出すキャラクター、作品、そして所々に入れられた挿絵には、彼女の細かい配慮がなされており、読者への心遣いなども見ることができる。

Chapter 2 作品における言語学的特徴の分析

第2章ではポターの作品を言語学の観点から見る。彼女は読者に物語の場面を伝えるために、用いる言葉に様々な工夫をこらしている。ここでは彼女の言葉を用いた表現方法、つまり言葉の選び方や使い方に注目する。さらに、彼女の副詞の使い方や動名詞の用い方について論じている。どのような語が使われているか、どのように使われているかを明らかにすることにより、ポターの作品や読者への想いなどを言語学的観点から考察する。

Chapter 3 作品を通じてのビアトリクス・ポターと子供たちについて

ポターは作品を作り上げることで、自らの世界を確立する。その作品の中にはさまざまな動物の子供たちが現れ、そしてその子供たちにはいくつかの共通点が見られる。ポターが作り出す作品を通して、彼女のさまざまな想いや想像が凝縮された世界を明らかにしていく。さらには、ポターの作り出す世界と読み手となる子供たちとの関係についても述べていく。

Conclusion