A Study of Phrasal Verbs in English
(英語における句動詞の研究)

69期 AII 類 M. Y.

Introduction

 この研究の目的は句動詞に属する前置詞の役割を理解し、単なる前置詞付き動詞と句動詞を区別するである。中学校で学ぶ語句の中に句動詞が含まれているが、指導の中では前置詞付き動詞との区別までは教えられていない。しかし、生徒が疑問その違いについて疑問に思う可能性がある。そのため、質問をされても答えることができるように、その違いを理解しようとこの問題について研究した。
 この論文は3つの章に分かれており、第1章は主に受動態における句動詞について、第2章は他動詞と自動詞の区別について、第3章は句動詞と前置詞付き動詞について言及している。

Chapter I Basic Ideas of Phrasal Verbs

 この章では、まず句動詞がどのように定義づけされているかを明らかにし、高校レベルの参考書に載っている句動詞を確認した。句動詞は動詞の後ろに名詞以外の要素が生じて1地の動詞として働くものとされており、群動詞とも呼ばれることがある。「動詞+前置詞」、「動詞+名詞+前置詞」、「動詞+副詞」などといった形式のものがある。
 受動態の中では単なる前置詞付き動詞は非文となるが、句動詞は正しい文となる。その理由としては、句動詞は前置詞付き動詞よりも動詞と前置詞の間に強いつながりがあるからである。また、受動態になるためのルールとして、隣接性の条件というものがある。また、例外もあり、前置詞的動詞が抽象的、比喩的な意味で用いられているとき、もしくは前置詞付き動詞の動詞が前置詞の目的語に強い影響を与えているときは、前置詞付き動詞でも受動態になることができる。

Chapter II The Differences between Transitive Verbs and Intransitive Verbs

 この章では「動詞+前置詞」の形の句動詞が他動詞的に用いられるという点に注目し、他動詞と自動詞の違いについて研究した。まず定義として、他動詞は目的語と共に用いられ、その目的語に対して影響を与えるものとされており、自動詞は直接目的語をもたず、その動詞だけで表す動作を完結することができるものとされている。そして、他動詞と自動詞の比較の中で、他動詞のほうが目的語に与える影響が大きく、影響する範囲も広いということがわかった。
 また、その比較の中に動能構文というものが出ており、そのことについて詳しく言及した。動能構文とは、atなどの前置詞の介在によって、他動詞を自動詞的に用いる構文である。そして、この構文内の目的語は動詞が表す動作の向かう対象であって、他動詞構文の目的語より動詞の表す影響が少ない。さらに、動能構文で使われている動詞は他動詞であるが、前置詞が介在することによって、本来他動詞が持っている完遂の意味合いが、動能構文では欠落することがわかった。

Chapter III The Differences of the Definitions of Phrasal Verbs and Prepositional Verbs

 この章では、もう一度それぞれの定義を確認したのち、ここまでで言及していなかった受動態における動能構文について言及した。結果としては、受動態で用いることは可能であった。つまり、動能構文では、動詞と前置詞の結びつきが強いと言えるのではないだろうか。

Conclusion

 結論として、句動詞と単なる前置詞付き動詞の違いは、前置詞が文の中のどの要素と強く結びついているかに重きが置かれている。しかし、今回の論文では、意味上の観点からの考察や例外が生まれる理由などを解き明かすことができなかった。そのため、これからもこの問題だけに限らないが、研究を進めていきたいと思う。