>A Practical Use of Affixes for English Teaching at Secondary School
(中学校の英語の授業における実用的な接辞の使用)

68期 AII 類 R. H.

Introduction

 この研究の目的は,二つある。一つ目は接辞を用いた効率的な語彙習得の方法を提案することであり,二つ目は接辞や語源を用いた中学校での現実的な語彙指導を提案することである。英語学習においては,四技能が大切であると言われるがそれらの力を身につけるためには豊富な語彙が必要不可欠である。語彙を学習するときに,日本人はしばしば単語帳を使い,それらは用途に合わせたものを選べるので便利である。では,日常的に語彙を増やすにはどのように学習するのが効率的であろうか。この研究ではまず,接辞の機能や,派生させるためのルールなどを明らかにする。また,語形成のしくみを明らかにし,語彙習得に役立てる。次に,現在の中学校における語彙指導の現状や学習指導要領に着目する。授業で語彙指導がどのように扱われているか,学習指導要領が求めている単語数が教科書でどのように扱われているかを調べる。最後に,自分が考える接辞を用いた。現実的で効率的な語彙指導の方法を提案する。

Chapter I What is an Affix?

 英単語はどのように構成されているのだろう。英語は多言語との衝突で現在の英語があるので英語の歴史を知る必要がある。語形成には二つの方法があり,それは合成と派生である。接辞が付加されるものを派生と言い,特に接尾辞が付くと品詞変化を起こすことが多い。品詞が変わることで一つの語基から語彙を増やすことができるので,いくつかの接辞と語基を覚えることで語彙を効率よく増やすことができる。しかし,接辞付加にも制限があり,自由に語を作ることはできない。この制限を接辞の選択制限という。派生語を作る過程やルールを知ることで,自分で語彙を増やすことができる。

Chapter II English Words in Textbooks

 学習指導要領は具体的な文法内容は明記しているが,語彙については数だけ書いてあり,具体的な語彙については特に書かれていない。また,検定教科書に載っている語彙を調査したところ,指定された語彙を本文内で指導しておらず,教科書によっても掲載語彙は異なる。ある教科書では"quick"は中学二年生,"quickly"は中学一年生で教えられている。派生語を語基と同じタイミングで学習することがよいのではないだろうか。語彙の指導方法も様々あるが,復唱して覚える方法が主要である。しかし,単語を何度も復唱するには時間がかかってしまい,効率的とは言い難い。では,どのように指導するのが良いであろう。

Chapter III The Practical Way of Teaching English Words

 私は効率的な語彙指導をするために語源学習法とワードファミリーを活用する。語源を覚え,接辞を自分で付加し語彙を増やす方法である。また,このようにして覚えた語は一つのまとまりとして記憶される。これらを用いて私は従来のワークシートの空白部分などを活用して派生語を学習させる。授業で取り扱う語から派生形を考えたり,派生語の成り立ちを生徒同士で確認したりすることで語彙を日常的に増やしていく方法である。

Conclusion

 指導する語彙数は増え,文法内容も増えた中で先生がどのように時間を使うかは大切である。そのためにも先生は試行錯誤を繰り返す必要がある。今までの語彙の指導方法は良い点があるからこそ実践されていて,この卒業論文で提案した方法を実際に自分で実践し,改良を続けていくことも大切である。