Analyses on Middle Construction: Acceptability of Verbs
(中間構文についての分析 ― 動詞の容認度)

62期 AII 類 T. Y.

Introduction

 英語には能動態と受動態の2つが存在する。さらにもう1つの態として中間態があり、それを用いた文を中間構文という。一般的に、主語の位置に動作主がおかれ、目的語の位置に被動作主がおかれるのが他動詞構文であるが、中間構文においては主語の位置に被動作主がおかれ、動作主は文の中に現れない。しかし、この型に当てはまっていれば、どの他動詞でも中間構文として用いることができるとは限らない。本論文の目的は、様々な動詞の容認度を数値によって明らかにすることである。

Chapter I Middle Construction

 先行研究によると、中間構文に用いられる動詞は、その意味として継続性、被動作主への影響、そして対象物指向性の要素を含んでおり、それらを含んでいない動詞は、この構文に適さないという。また、動作主についての研究によれば、動作主は、文においては現れないが、暗に示されており、それは「一般の人々(people in general)」とされている。これは、構文の持つ総称性と密接に関係しており、特定の動作主を示すような中間構文は認められないとされている。また、情報量も構文の容認度に関係しており、たとえ動詞が中間構文に適しているものであっても、文自体が聞き手に有益な情報を与えることができなければ、文として容認されないとされている。

Chapter II Critical Survey on Previous Analyses

 これまで中間構文について様々な研究がなされてきたが、いくつかの点で説明が不十分であったり、研究者の間で矛盾していたりすることがあると感じたので、それらの点について述べる。とりわけ、動詞の容認度については、ある研究者はcompareという動詞を中間構文には適切ではないとして挙げているが、別の研究者はcompareが用いられている中間構文を文法的に正しい文として提示している。このような矛盾は、中間構文に課されている複雑な制約によって起きているものであり、それらを紐解いていくためには、はっきりとした基準と、数値で表すことが必要だと考える。

Chapter III My Analyses

 中間構文における動詞の容認度を調べるために、インフォーマントテストを行い、ネイティブスピーカーにとって、その文が自然に聞こえるかそうでないかを調査した。その際、容認度を示す指標として自然に聞こえたらならば2ポイント、そうでなければ0ポイント、そして自然に聞こえるかどうか確かでなければ1ポイントという風に数値をつけた。結果として、ほぼ先行研究通りになったのだが、いくつかの動詞が異なる振る舞いをした。例えばhateはこれまで中間構文に適さないとされてきたのだが、このテストにおいては高い数値を示し、容認されるのではないかという仮説を立てることができた。他にもいくつか仮説を立てることができ、それらをより明らかにしていくためには、さらなる研究が必要である。