Gender Differences in English
(英語における男女の違い)

61期 AII 類 H. S.

Introduction

 日本語では、話し方で男女の違いが容易に判断しやすい。では、英語ではどうだろうか。英語は男女の違いが表れにくいと言われている。しかし、英語にも男女の違いがあると主張する学者もいる。では、今日の英語において男女の違いは見受けられるのだろうか。

Chapter I The Pattern of Men’s and Women’s Talking in English

 この章では、言語学者であるRobin LakoffとDeborah Tannenの述べている男女のステレオタイプを紹介し、その内容についての考察や疑問点を挙げる。
 Lakoffは、女言葉の特徴として主に次の9つ挙げている。
 1. 女だけの特別な関心事に関わる語彙
 2. 「空っぽ」の形容詞
 3. 付加疑問文
 4. 垣根表現
 5. 強意の “so”
 6. ハイパーコレクト (Hypercorrect) な言葉遣い
 7. 最高敬体
 8. No Joke
 9. イタリック体
 Tannenは、男性特有である情報中心のレポート・トーク、女性特有である心理的つながり中心のラポート・トークを紹介している。
 ここで3つの疑問点を挙げる。1つ目として、Lakoffは男性の話し方が優れていて、女性の話し方が劣っているという見方をしているが、それは果たして適当であるのかという点。2つ目として、そもそも男女の話し方に違いがあるのか、また、もし違いがあったとして、それは性別による違いなのだろうかと言う点。3つ目として、彼女たちは主に男女間の会話を取り上げているが、男同士、女同士でもこれらの違いが見受けられるのかという点。これら3つの疑問点を、次の章で考察する。

Chapter II The Analysis of the Ways of Men’s and Women’s Speaking on the Media

 この章では、The Devil Wears Prada (『プラダを着た悪魔』) という映画を用いて、男女の話し方の違いの分析と考察をする。この映画を使用したのは、女性であるMirandaが編集長であるという、従来の男性中心型の社会の風潮に反した作品であるという事と、職場とプライベート、どちらの場面も登場しているという事が、男女の特徴を、偏りなく同じ目線で比較できると感じたからである。
 作中では、男女の話し方の違いは確かに存在している。しかし、違いが見受けられないケースも少なからず登場する。そこで、男女差が見受けられない時の要因を考察した。1つは親密さである。また、各々の性格も影響していると考えられる。

Chapter III The Good Ways to Communicate with the Opposite Sex

 この章では、対話者と円滑にコミュニケーションするにはどうすればよいのか、解決策を考察する。 1つ目は男女の話し方の傾向の理解である。理解があれば、相手の話し方による誤解を少なくすることができ、相手が伝えたいことを理解する事が簡単になる。
2つ目は思いやりである。相手の気持ちを重んじた会話をすることが大切である。
3つ目は、話し手の話や話し手の事に興味を持つ事である。
4つ目はさじ加減をする事である。Tannenによれば、男と女とでは、ふさわしいと思う表現の基準が異なり、それをよく心得ることで、コミュニケーションがより円滑になるという。

Conclusion

 今日では、若者のコミュニケーション不足が問題となっているが、相手の話を正しく理解したり、相手に物事をうまく伝えたりするために、男女の話し方の傾向を理解する事は非常に重要である。男女共に、英語圏の男女どちらの話し方の傾向を知っておけば、今後話す場面で円滑に会話を進めることができるだろう。