A Study of Auxiliary Be and Have
(助動詞としてのbe とhave の研究)

61期 AII 類 R. K.

Introduction

 "be"や"have"は基本的には動詞として扱われるが、進行や受身の"be"や現在完了の"have"は助動詞に分類されている。しかし、これらは一般的な法助動詞とはまた違った使われ方をし、動詞としての性質を捨て切れていない。そのため、"be"や"have"に助動詞としての用法がある、と明言することは難しい。本論文の目的は、"be"と"have"の分類分けについて分析し、再考することにある。

Chapter I The Traditional Classification of Be and Have

 助動詞は否定、倒置、重複回避という特有の性質を持っているが、進行や受身の"be"と完了の"have"もまた、これらを備えている。しかし、"be"と"have"は動詞としての性質も兼ね備えている。助動詞の"be"と"have"が助動詞としての性質と動詞としての性質の両方を持っていることが、分類分けを複雑にしているのである。

Chapter II The Classification from the Origin of the Progressive and the Perfect

 進行形や完了形の歴史をたどっていくと、助動詞の"be"や"have"はもともと動詞として使われていたものであることがわかる。また、助動詞の"be"や"have"は、今日の進行形や完了形においてもその動詞としての本質的な意味を失っていない。歴史や意味の観点から考えると、助動詞の"be"と"have"助動詞というよりも動詞に近い性質を持っているのである。

Chapter III The Classification from Generative Semantics

 Ross (1967) は、助動詞の"be"や"have"を動詞として分類する考えを示した。Rossは助動詞の"be"や"have"は動詞の特徴である空所化変形、数量詞移動、VP 前置を有しているため、動詞として分類できる、という。しかし、実際は"be"と"have"がこれら全ての特徴を持っているわけではなく、彼の考えが正しいとは言い難い。そのため、助動詞としての"be"や"have"が動詞である、と明言することは難しい。

Chapter IV The Reason for the Difficulty of Classifying

 助動詞としての"be"や"have"の分類分けが難しいのは、歴史的な要因が関わっている。助動詞の"do"が使われる前は、疑問文や否定文を作る際は、今日の法助動詞のように動詞を変化させていた。しかし、16世紀には、英語はSVOの語順を重視するようになり、助動詞の"do"が使われるようになる。"be"や"have"はその変化から取り残され、変化しなかった動詞なのである。そのため、"be"や"have"は動詞と助動詞の特徴の両方を備えた、分類分けの難しい語となったのである。

Conclusion

 助動詞としての"be"や"have"は、ある一点から考えた際にははっきりと分類できても、他の観点から考えるとそれが当てはまらない、ということが多い。それは、助動詞としての"be"や"have"が動詞としての性質と助動詞としての性質の両方を持っているためである。助動詞の"be"や"have"を明確に分類分けすることは難しいが、より正確な分類分けをするには、より多角的な視点から考えることが重要になってくるだろう。