Meaning and Usage of the English Infinitive
(不定詞の意味と用法)

60期 AII 類 S. H.

Introduction

不定詞は名詞的、形容詞的、副詞的に使われる。学校では、これを3用法として教え、英文法の試験で何用法かを問われる場合がある。しかし、私はこの3用法に分類しがたい不定詞や意味の判別をしがたい不定詞を見たことがある。本論文の目的は、不定詞の意味と用法について再考し、それを学校における不定詞の指導に生かすことである。

Chapter I Origin and Two Types

不定詞には to付きの不定詞と toなしの不定詞(原形不定詞)の2種類があるが、この論文では to付きの不定詞を扱う。不定詞の "to" は歴史的に方向を表す前置詞の "to" であり、これが古英語における不定詞の与格形 "-enne" と共に使われたことが今日の to付き不定詞の起源である。

Chapter II Traditional Classification and Its problems

Seem + to不定詞の不定詞が何用法かを説明するのは難しい。そこで、安井(1996)は seem + to不定詞を3用法とは別のものとして扱う。また、梶田(1968)は to不定詞そのもので分類するのではなく、それと結びつく動詞によって、不定詞を分類する。

Chapter III Classification from a Different Point of View

海外の英文法書には、不定詞を3用法とは別の観点で扱うものがある。HuddlestonとPullum(2005)は to不定詞節を非定型節として、機能の観点から11種類に分類する。Duffley(1992)は不定詞は「実現していない、あるいは実現しそうな出来事」、「実際に実現した出来事」の2種類の出来事を表すと述べる。

Chapter IV How to teach the English Infinitive at School

学校で不定詞を指導する際、3用法の名前を生徒に教えることは必ずしも必要とはされない。生徒はそれぞれの不定詞の訳し分けができ、不定詞が未来志向だということを把握すべきである。このことを踏まえ、学校における不定詞の指導は、導入・指導順序について考えられなければならない。