Communication in the Adverstisement
(広告におけるコミュニケーション)

57期 AII 類 M. M.

Introduction

記事を読むために雑誌を買う人はいるが、広告を読むために雑誌を買う人は少ない。広告は、読者にとって必要ではないと感じられる存在である。しかし、私はよく広告のページに目を留めてしまう。それは、一体なぜなのか。私は多くの広告を見ていくうちに、広告は一方的な情報伝達ではなく、読者を予想して練られたメッセージだと考えるようになった。広告は様々な工夫を駆使して読者とコミュニケーションを取ろうとしている。実際の広告を例に挙げ、広告の工夫を1、2章では言語面、3章では言語と視覚の両面から考察していく。

Chapter I Conventional Features of English in Advertising

この章では、広告に多用されている一般的な特徴を扱う。例えば、人称代名詞の"you"を使用すると、読者は自分に対して声を掛けられた感覚を無意識的に持つ。このように、声を掛けられると無視はできないという人間的な行動を利用して広告は作られているのである。この章で扱う特徴は、読者の注意を引く力が小さいので、読者にはあまり意識されない。しかし、読者は無意識のうちにこれらの特徴によって広告に注意を向けさせられているのである。

Chapter II Creative Features of English in Advertising

この章では、創造性に富んだ広告の特徴を扱う。創造性に富んだ広告は読者の注意を強く引くことができる。また、読者の記憶に残りやすい特徴がある。ここでは、音声、構文、間テクスト性の3つの観点から考察していく。印象的な広告は、いくつかの工夫を駆使して作り上げられており、複合的な広告の例もみられる。

Chapter III Parallelism between Visual and Linguistic Elements of the Advertisement

この章では、言語面に加えて視覚面を扱う。私たちは、広告を「読む」前に広告を「見て」いる。最初の視覚の印象は、読者が広告を読むかどうかを決める重要なポイントとなる。また、視覚と言語の相互作用によって、言語または視覚のみでは表現できない広告表現の世界を広げることができる。

Conclusion

広告の目的は、まず読者に読んでもらうことから始まる。そして、その製品をアピールし、読者の購買意欲をかきたて、最終的にその製品を購入させることが目的である。しかし、あからさまに商品を買わせようとする広告では読者の心をつかむことはできない。広告者は、無意識のうちに広告に興味を持たせたり、広告の品物を使用する自分の姿を想像させたりする広告を作成し、読者の心をつかもうとしているのである。