English of Sports Section in Journals
(スポーツ記事における英語の研究)

54期 AII 類 A. O.

Chapter I: Introduction

情報メディアの発達により、私たちは容易に世界中のスポーツの結果を、映像と共に即座に知ることができる。そんな中でわざわざ記事にされたものを読むだろうか?新聞や雑誌の記事は結果以上のなにかを要求される。また、新聞社や雑誌会社は数多い。その競争の中で、いかにスポーツ記事に工夫をこらしているか、どのような表現方法で読者をひきつけているかに注目し、そこで英語がいかに働いているかについて見ていく。

Chapter II: Characteristics of Sports Sections in Journals

この章では、記事の3要素(写真、見出し、本文)について考え、ライターがいかにして読者の関心をひくかに注目し、特に写真の効果についてみていく。私たちがスポーツ記事を読む時に始めに目に入るのは写真であり、また試合の迫力を伝え、読者に臨場感を与える。内容としては結果だけでは読者を満足させることはできないので、しばしば背景に潜む美談や、苦労話などにスポットを当てて読者をひきつける。表現方法としては、一見では意味がよくわからなかったり、意味が二つ存在するように使ったり、単語の省略形を用いる場合もある。読者をひきつけると共に、限られた紙面を最大限活用するために趣向を凝らしている。

Chapter III: Roles Played by the Headlines

この章ではheadlineをピックアップし、その特徴をみる。headlineは写真や本文のタイトルのような存在であったり、記事全体の要約である場合もある。限られたスペースの有効利用にもっとも役立っているのはheadlineかもしれない。スポーツにおいては2チームで争うものが多く、そのため2チームが対象的に示されているheadlineは多く見られる。また一見何について書かれているか、何を伝えたいか分からないような表現も多く、読者の関心を引くのに役立っている。またheadlineで韻をふんだ表現が多く使われるのは、読者がチラっと見た時に、頭に残りやすくなり、関心も引きやすいという効果を期待してのことである。Headlineは現在時制で書かれることが多い。そのほうが読者に臨場感を与えると同時に、3単元のsや過去時制にこだわるとながったらしい文調になり、読む気を奪いかねないという危険性や経済面における理由から現在時制が好まれて使われている。

Chapter IV: Effects of Regional Differences of the Sports Sections in Journals

ここではスポーツ記事の地域の違いによって生じる影響についてみていく。例え同じ試合について書いた記事であったとしても、その内容は180度違ったものになることもある。新聞社あるいは雑誌会社がどこにあるかというのはどちらのプレーヤーの味方となって記事をまとめるかに大きく影響する。ときにはその販売地域の住民にしか理解できない言葉を用いて読者に記事を身近にかんじさせようとする。場合によっては逆に相手プレーヤーを皮肉ったり、中傷的に書くことで読者の味方であることをアピールする。どのポジションに書き手がいるのかをはっきりと示すことで、読ませたい読者を限定してしまいながらも確実に味方につけようとしている。

Conclusion

写真、見出し、本文の3つの観点からスポーツ記事をみてきたが、すべての要素は読者の関心を引くという同一の目標を達成するためにそれぞれが様々に工夫を凝らされている。スポーツイベントという原石を、いかにカットして読者に提供するかでその記事の特徴が現れてくる。厳しい競争に打ち勝つためにはただ結果を伝えるだけではなく、様々な趣向を凝らし、読者をひきつけなければならない。そのための工夫が様々な特徴となって、記事の中に現れるのであろう。