Politeness in English
(英語における丁寧表現)

53期 AII 類 D. S.

Introduction

日本人英語学習者は、よく「英語には敬語が存在しない」というような理解をもっていることがある。確かに日本語の敬語ほど組織的な言語組織は英語にはない。しかしながら、人間の考えや気持ちを表す同じ言語として、相手に対する敬意を言語の中に出すというシステムは存在する。それは「敬意的表現」と言い換えることが出来る。すなわち、語のレヴェルではなく、フレーズまたはセンテンスの形で出てくるのである。そしてその敬意的表現というものは、話者同士の人間関係、会話の流れなどによっては、丁寧なものにも丁寧でないものにもなりうる。この論文では、英語における丁寧さというものがどのようにして現れるのかを、実例とともに研究する。

Chapter I A Discussion on the Definition of 'Politeness'

この章では、OALD、LAADにおけるPolitenessの定義を確認しながら、P.ブラウンやレヴィンソンの唱える'Positive Politeness'、'Negative Politeness' という概念も交えて、Politenessとは何かを考える。「丁寧さ」というのは、「相手に不快な思いをさせないように配慮する態度」というのが基本的な定義になる。

Chapter II Illustrative Cases of Politeness in English

実用例を見ながら、英語における丁寧さを見ていくのが、この章での主旨である。決まりきった表現、要求するときに使われる表現、そして口調を和らげるときに使われる表現について実例を見ていく。

Chapter III Frequently Used Phrases and Grammatical Common Features in Showing Politeness in English

決まりきった表現のまとめと共通点、そして敬意的表現における文法的な特徴をまとめ上げ、敬意的表現をする場合には、基本的にどのような言い方をすればよいのかを考える。敬意的表現をする場合、基本的に必要なことは、直接的に疑問や要求を投げかけるよりも、「自分がただ単にこれこれと思っている」という形にするなどして、こちら側の発言に切迫感を持たせないように気をつけることである。

Conclusion

ここでこの論文の総括を行う。言語というものには、形は何であれ、相手に対する敬意を表す何らかの表現があり、英語も多分にもれず、敬意を表す方法がある言語である。