Idiomatic Collocations in English
(英語における慣用語)

52期 A 類 N. M.

Chapter I Introduction

英語には豊かな慣用語がある。エドワード・サピアーは「現実世界はその集団の言語習慣によって無意識につくり出される」と考えたが、英語話者の言語習慣とはどのようなものか。それは全ての文化に通じるであろう人々の意識と関っている。イディオム表現の起源や用法を通して英語話者の思考を知ることができる。特にイディオムの中で使用される名詞の持つ意味を分析することで人々の意識を探っていくこととした。

Chapter II Proper Nouns in Idiomatic Collocations

イディオムの中には国名や都市名を含むものがある。その背景には歴史的な出来事があり、その国や都市に対する英語話者の感情が存在する。例えば 'go Dutch' という表現はオランダ人に対する軽蔑の意が存在していた。つまり、それぞれのイディオムの意味は人々の思考に基づいてつくりあげられたものである。人名も固有名詞であるが、人名を扱うイディオムからは、英語話者がその人物について抱く感情を知ることができる。

Chapter III The Name of Body in Idiomatic Collocations

身体語の入ったイディオムには、人の体と心がどこかでつながっているという考えが存在する。例えば 'have one's fingers crossed' という表現は他人の幸運を祈ることを差している。これらのイディオムは身体やその機能に関する人々の解釈や発想に基づいているが、身体語はイディオムの中で、人々の感情や行動を表しているからである。また、私たちは身振りをコミュニケーションの方法として受け入れていることからも、身体は言語と深い関わりをもっていると言える。

Chapter IV Other Common Nouns in Idiomatic Collocations

普通名詞を扱うイディオムの中にはスポーツに関する語を含むものもある。スポーツは人々の思考を刺激し、日常生活でスポーツ用語を含むイディオムが生まれている。アメリカ英語では野球用語をもとにした表現が多いのに対し、イギリス英語ではサッカー用語をもとにしたものが多いという文化の違いがあるのも興味深い。その他、日常的な名詞の入ったイディオムからは英語話者の日常生活の様子を窺うことができる。

Chapter V Conclusion

言語は人類の一部分であり、人間の行動と関っている。人々の生活習慣の拡大は多くのイディオムをつくってきたと言える。英語のイディオムには、多くの人々に幅広く使われていること、その意味や内容が英語話者にとって理解しやすいものであること、そしてそれらは単純であることという3つの特徴が挙げられるが、英語のイディオムを知ることは英語話者の思考や文化を知ることにつながる。