The Relationships between Disney and Culture
(ディズニーと文化との関係)

66期 AI 類 J. U.

Introduction

 Walt Disneyは19世紀にアメリカで活躍した新しい娯楽の創作者である。彼はDisneylandを作っただけではなく、数多くのアニメーション作品を生み出してきた。その中でも、Steamboat Willieは彼の人生やアメリカのアニメーション映画業界に大きな影響を与え、ミッキーマウスというキャラクターが世界中に知れ渡るきっかけとなっている。そして、Disneylandはテーマ性を持っており、彼の思い描くアメリカの夢や理想が体現された場所である。本論文の目的は、Disneylandの魅力がどこにあるのかを考え、アメリカと日本のDisneylandを比較することで、Disneyと文化の関係について明らかにすることである。

Chapter I Walt Disney and Disneyland

 Chapter Iでは、Walt Disneyの考えについて、アニメ制作者とDisneylandの創作者という2つの観点から考察した。さらに、Disneylandのテーマ性を研究することで、Disneylandの魅力を明らかにした。
 彼はアニメーションで描かれる物事は、人々が人生のどこかで実際に思い描いていたか、あるいは見たことがあるファンタジーでなければならないと考えていた。つまり、彼の作るアニメーションは完全な空想の物語ではなく、人々が信じることができる表現形態といえる。そして、Disneylandはアニメーションの本質を三次元の空間で体現したものであると言われており、人々の想像力や既視感に基づいた新しい世界を創造している。
 映画やアニメーションとは異なり、Disneylandは永遠に未完成である。一見すると非日常空間に思えるが、実際は訪れる人に、知っていることや行ったことがある場所、見たり聞いたりしたことがある物事を思い起こさせる日常的な空間である。このようなことから、Disneylandの最大の魅力は、日常世界と非日常世界の融合にあると考える。Disneylandは開放性と閉鎖性の両方を併せ持っているがゆえに、日常世界と非日常世界の2つの側面が存在している。

Chapter II Disney and Culture

 Chapter IIでは、アメリカにおけるDisneyの立ち位置を明確にし、アメリカと日本のDisneylandを比較することで、Disneyと文化の関係について考察する。さらに、Tokyo Disneylandにおいて、アメリカのディズニー文化がどのように受容されたのかについても研究した。
 Chapter Iでも述べたように、Disneylandは永遠に未完成であり、訪れた際に誰もが日常体験をもとに、非日常的な体験を楽しむことができることから、アメリカの大衆文化(popular culture)の一つとして位置づけられている。なお本論文において、大衆文化を「誰もが知っていて、人々の日常生活をもとにしている慣習」と定義している。
 アメリカと日本のDisneylandを比較することで、建設地、背景、解釈、概念に対する態度という4つの違いが明らかになった。これらの違いから、日本におけるアメリカのディズニー文化の受容について考察した。アメリカのディズニー文化は、日本人の文化に合うように形を変えて受容されているということがわかった。

Chapter III Mickey Mouse as an Icon

 Chapter IIIでは、Mickey Mouseがアメリカだけでなく、世界においてどのような存在であるのかを考え、キャラクターとして文化とどのように関わりを持っているのかについて研究した。
 Mickey Mouseは、大衆文化の中で定着した発達の形や価値観を象徴的に表現したものとされている。彼は、空想的な夢そして文化の商品化の象徴として描かれている。そのような彼の魅力は、丸っこい体型にある。円形は人間が最も安心を感じる形であり、それに加えて赤ちゃんのような無垢さと愛くるしさを持っているので、世界中の人から愛され受け入れられているのである。
 彼は、資本と文化力によって、人々の生活や感性を変える力を持っており、アメリカ文化の象徴になっている。人間だけが唯一持っているとされる知恵を持っているという理由から、動物ではなく人間として分類されている。彼は世代を超えて共有され、受け継がれ、完全にその国の文化に溶け込み、その国の文化を変容させてきた。異文化を変容させるだけでなく、キャラクターの独自性を損なうことなく異文化に適応することによって、より深く異文化に溶け込むことを可能にしているのである。また、日本人はキャラクターが仮想世界にしか存在しないと認識しながらも、それに強い現実性を感じ、実際に生きているものとして受容する感覚を持ち合わせている。このキャラクターに対する寛容な受容という文化を持っているがゆえに、キャラクターと共存できているのである。

Conclusion

 Disneylandは、テーマ性を持っているという点で遊園地とは異なり、その最大の魅力は、大人や子どもを含むすべての人々が、日常世界と非日常世界の融合を経験することができるという点である。また、Disneylandはアメリカ大衆文化の一つで、人々の日常生活や社会と深く関わっている。アメリカで生まれたディズニー文化は、必ずしも世界中で受け入れられるわけではない。その土地の文化に適応する新たなディズニー文化を形成しながら受容される。そして、Mickey Mouseは、Disneyと文化の橋渡し的な重要な役割を果たしているのである。