English Haiku
( 英語俳句 )

54期 AII 類 Y. N.

Introduction

元来日本の伝統文化の一つである俳句が、今や英語などの他の言語で書かれるようになり、多くの国で親しまれている。この論文では、英語ハイクと日本語俳句の異なる部分を比較しながら、なぜハイクが日本以外の多くの人たちを魅了するのかについて考察していく。

Chapter I

この章では、英語ハイクの形式に注目する。日本語俳句には十七音節や季語などの俳句の形式があり、現在も多くの俳人がこの形式を継承している。英語ハイクには日本語俳句の形式から得たものもあるが、言語の違いから不都合も生じる。そのため英語俳人たちが英語ハイクに合った形式をいくつか考え生み出している。英語ハイクの作品をいくつか用いて、どのような形式があるのかを考察する。

Chapter II

英語ハイクの歴史と、それが世界に伝わった背景などについて考察する。日本の俳句が海外に伝わった背景や、芭蕉などの俳句を英語訳して、それをアメリカに伝えたBlythの活躍などについて書く。当時の政治的背景の影響なども考察する。また、近年の英語ハイクに起こっている変化や発展などを、俳句の作品を通してまとめる。

Chapter III

ハイクは日常の瞬時の出来事が描かれている。この一瞬の間に、俳人は今まで気づかなかった事実に気づく。こうした瞬間を俳句的瞬間(haiku moment)と呼んでいる。俳句的瞬間は自分自身と向き合い、無我の境地に達したときに起こる。悟り、無我、そしてその心の状態から生まれる俳句的瞬間は、禅仏教につながっている。この禅についてふれながら、俳句的瞬間がハイクの中でどのように描かれているのかを考察する。

Conclusion

ハイクがなぜ多くの国の人たちに愛され、親しまれているのかを改めて考える。そして、これからの英語ハイクの将来について考察する。