───────────────────────
クスノキ通信      第11号 2005.5.5(木)                    
───────────────────────
《20》新緑の季節のクスノキの葉の「2つの赤色」
@第1号《2》で、僕は5年前の春にクスノキを気に入って若木を購入して庭に植えたことを書いているところで、「濃い緑と赤っぽい薄緑の二段構えの緑」と 書いています。
A第7号《13》では、2004年10月末のわが家のクスノキについて、「まだ色の薄い若葉っぽい葉っぱも見られる一方で、赤っぽい葉、黄色っぽい葉がチ ラホラ見られます。クスノキの木全体が紅葉するわけではないですが(常緑樹ですから)、この秋の時期には色づいて落葉する葉が他の時期よりは多いようで す。」と書いています。
A第9号《18》では、「クスノキの葉っぱの変色(と、その後の落葉)は春にも見られるのですが(春先、三重大の駐車場はクスノキの落ち葉でいっぱいで す)」と書いています。 ABから、少なくとも春と夏〜秋の2回は、若葉が出るとともに古い葉が紅葉して散っていく、ということに気づいていました。
 それからすると、@の記述は不正確であることになります。新緑期のクスノキの色は、「濃い緑と赤緑の二段構え」ではないのです。春のクスノキの葉の 「赤」には2種類あるのです。芽生えたばかりで、これから緑に変化していく赤緑と、紅葉しやがて枯れ葉として散っていく赤、の2種類が。今年の新緑を見て いて、そのことに気づきました。そこで、片田団地周辺の僕の散歩コースでたくさん出会うクスノキの中で、「2種類の赤」を確認できる木を探し、写真を撮り ました(2005年4月24日撮影)。
      
 いかがですか?2種類の赤を識別していただけるでしょうか?いずれの写真でも中央付近の大きく濃い赤の葉が、紅葉してやがて散っていく葉です。写真では わかりにくいですが、実際に見ると肉厚で堅そうなのですぐわかります。
 これに対して、右の写真では中央から真上のやや左側、左の写真では中央から右上方向の薄く赤みがかった葉が、若葉です。

    さらに、おもしろい葉を見つけました。左の写真では、真ん中の葉が緑から紅葉していく途中です。この葉は葉先の方から紅葉し始めています。その左上の葉 は、ほぼ紅葉していますが、左のはしっこに緑色が残っています。たまたま散歩途中で観察した山の中の木なので、一枚の葉が何日くらいかけて緑から赤に変わ るのかは、残念ながらわかりません。

 さて話を整理すると、春の新緑期のクスノキの葉の色は、本来の緑色・若葉の赤っぽい緑・散る直前の濃い赤色の「三段構え」ということになるでしょうか?
  いやいや、そう単純でもありません。
 まず、1本1本の木ごとに、同じ時期でもずいぶん風合いの違いがあります。
 下の2本の木は、同じ散歩コースの中で互いに数百メートル程度離れたところに生えているものですが、左の木が赤味が少なく、若葉も黄緑っぽいものが多い のに対し、右の木は全面赤っぽい若葉に覆われています。若葉が赤味がかる程度も、木によって違うのでしょうか?それともこれは新芽が一人前の緑の葉になっ ていくプロセスが、木によって時期がずれているのかもしれません。
    

 さて、紅葉していくプロセスの写真を紹介しましたが、色的には逆に赤っぽい若葉が次第に緑になっていくプロセスも見てみましょう。連続写真のようには撮 れていないのですが、たまたまほぼ同じアングルで撮っていた写真を並べてみると、この3日の中では4月26日が赤色の若葉のピークで、5月5日には赤から 緑にかなり変わってきているのがよくわかるでしょう?

      
                    2005.4.21                                      2005.4.26                                         2005.5.5

 拡大してみると(5月5日撮影)、色の変わり方は紅葉の場合とは違い、左の写真のように葉っぱ全体が赤と緑の混じったむらむらの状態になっています。ま た右の写真では、葉脈に赤色が残り、それ以外の部分はより緑色が強くなっています。
    
 何年か新緑期のクスノキを見続けてくることにより、色を表す言葉としては「緑」と「赤」に尽きるわけですが、ずいぶん興味深い変化を遂げることがわかっ てきました。

《21》 クスノキは街路樹には不向き?
 第5号《11》で、国道23号と県道42号のクスノキの本数を運転しながら数えるというアブナイ情報収集結果を報告しました。その時も思っていたのです が、津インターにつながる県道42号線のクスノキは特に、不揃いで部分的に枯れているものも目立つのが気になっていました。
 2005年4月24日に、いつもの散歩コースである久居市のニューファクトリー久居工業団地のメインストリートのクスノキ並木を撮影しました。
    

 全体の遠景を見ると、赤っぽい若葉がきれいに見えるのですが、1本1本に近寄って見てみると…

      

      

      

      

      

 ごらんの通り、上の方しか葉がないもの、下の方しかないもの、その他部分的にしかないもの、ほとんど枯れてしまっているものなど、まともに枝をはり、葉 を茂らせて健全に育っていると見受けられる木がほとんどありません。これは一体、どうしたわけでしょう。 これまで僕が見てきたクスノキは、ほとんどが植 樹したものです。わが家しかり、大学しかり、街路樹しかり。わが家の植えて5年目になる木は、水をやっているだけで施肥も防除も特にしていませんが、幸い すくすくと育っています。三重大学のクスノキたちも、かなりの樹齢のものも多いと思いますが、青々と葉を茂らせている大きな木がほとんどです(こちらは、 造園業者が手入れしているかもしれませんが)。
 街路樹というのは、常に車の排気ガスにさらされ、生育環境はきわめて劣悪です。国道23号線や県道42号線はまさにそうでしょう。
 しかしこのニューファクトリー久居工業団地のメインストリートは、造成後5〜6年はたっているのに入居した工場は2つだけで、閑古鳥が啼いています。こ のメーンストリートにも、車はほとんど通らないのです。
 それでは一体なぜここのクスノキはきれいに生え揃わないのか???謎です。
 苗木の質が悪かったのでしょうか?しかし、枯死してしまった木は少ないのです。傷だらけになりながらもかろうじて葉を出し、生きようとしている…痛々し い感じです。
 美観的にも、同じ種類なのにこれほど不揃いであるのは、かえって景観を損ねると思います。
 比較するのは変ですが、右の写真は同じ工業団地内のクスノキ並木のすぐそばにあるアカメガシ(でしょうか?)の植え込みです。
刈り込んだりしてないので生え方は不揃いですが、植栽としては鮮やかな色で美しいと思います。これと比べると、クスノキ並木は、どうしようもなくみすぼら しく見えてしまいます。

 果たしてクスノキは街路樹には不適なのか?それとも手入れ次第で美しい並木にもなるのか???「街路樹問題」については、引き続き追究していきたいと思 います。

「ク スノ キ通信」バックナンバー一覧へ戻る

教育 課程論研究室入口へ戻る