六ケ所村エネルギー関連施設

見学会報告

 

三重大学教育学部技術・ものづくり教育講座電気工学研究室

松岡 守

 

 日本原子力文化財団支援を受けて,1223日から24日にかけて青森県六ヶ所村内エネルギー関連施設見学ツアーに行ってきました。以下その概要報告です。

 

【スケジュール】

見学会

2021年

12月23日(木)移動日

1224日(金)

  9:3012:30            日本原燃見学

 14:0015:00           国際核融合エネルギー研究センター

※なおこの見学会に先立ち事前勉強会1213日(火)に実施しました。

 

【参加者】

見学ツアー参加予定の7名(教育学部2年生2名,3年生1名,4年生3名,教員1名)

日本原子力文化財団のご担当の方

 

【当日の状況】

 フライトの欠便が出るような寒波の間をついての見学会であったが,ほぼスケジュール通りの見学会となった。降りしきる雪の中を進むバスから石油備蓄基地の立ち並ぶタンクを見ることとなり,エネルギー問題を考えるにはふさわしい状況と言えるかもしれない。

 日本原燃ではまずPRセンターにおいて核燃料サイクルや地層処分及び日本原燃の活動全般についての説明をいただいた。その後構内の濃縮事業,埋設事業,再処理事業,廃棄物管理事業,MOX燃料加工事業の各施設を見学した。

 国際核融合エネルギー研究センターでは,核融合炉研究開発の国内外の状況,同センターの取り組みについての説明を受けた後,ブランケット材料開発,計算シミュレーション,材料照射施設の各設備を見学した。

 以下に見学ツアー時の写真を示す。

 

日本原燃

 

 

 

 


 

国際核融合エネルギー研究センター

 

 

 

【学生の感想】

 

 以下に見学に参加した学生の感想を示す。

 

 原子力発電をするうえで、使った燃料の廃棄が問題というのは世間のニュースを通じて前々から知っていたが、今回の見学を経て、燃料の廃棄の具体的な手順や最終的な処分の方法を学ぶことが出来た。

 最終処分場の見学には行ったことはあったがそこに行きつくための技術については学ぶのが初めてだったので、今回の見学でそこを補うことができたのは良かった。

 今回の学びを糧に、今後の知見も深めていきたい。

 

 今回は事前学習で六ヶ所村について勉強しており、写真で見たものがすぐ目の前にあることに感動した。六ケ所村を訪れ、高レベル放射性廃棄物の処理についての話を聞くうちに「放射性廃棄物」と聞くだけですぐに「処理は危険なことだ」と決めつけるような偏見がいかに良くないことかどうかを理解することができた。放射性物質の影響を受けないようにガラス固化体にしてさらにその周りを覆うことで人間に影響する放射性物質を最低限まで減らしそしてそこから地層処理を行うまでも安全に取り組むことができるように、その地域の特性などたくさんの調査を重ねている。こんなにも時間と労力をかけて考えてくれている人がいる中で偏見だけで反対をするのはよくないことだと感じた。しかし放射性物質が人間にとって有害なものである以上反対する人がいてもおかしくはない事であるのはたしかである。まずは地域の人の理解を得ることが必要だと思った。

 また放射性廃棄物の地層処理に関する偏見だけでなく、その他日常生活に関しても偏見だけで何かを批判したりするのはよくないと思った。何かの資料に関しても、「この資料は本物の資料なのか、何か間違ったことはないのか」など、物事を批判的に捉える力が生きていく上で大切であると思った。

 初めての青森県だったが、とても有意義な時間を過ごすことができた。こんなに素敵な地域を大切に守りながら人間が生活できるように、日本原燃にはこれからも頑張っていただきたいと思った。

 

 今回の六ヶ所原燃PRセンターや原子燃料サイクル施設を訪れて、原子力発電の方法からガラス固化体の貯蔵、最終処分場の問題について学ぶことができました。原子力発電は今のエネルギー移行問題を解決する方法だと思う。自然エネルギーだけでなく、原子力発電を使って再生可能エネルギーの分野を補うことはとても大事なことだと思う。原子力発電は過去に日本国内や国外で事故があり、安全性に不安を持つ国民が多くいると思う。しかし、原子力発電について体験を通しながら学んでみると、安全性の不安は原子力発電について深く詳しく知らないから原子力発電について、不安になっているのではないかと思った。その不安をなくすためにも、日本原燃が取り組んでいることをもっとアピールすると良いのではないかと感じた。

 

 事前に地層処分が安全であることやこれまでの取り組みについて勉強してきたが、実際にPRセンターや日本原燃の施設に足を運んで見学したことを通して、原子力発電の方法からガラス固化体の貯蔵、最終処分場の問題について目で見て学ぶことが出来た。一般には見学できない部分もあり、とても有意義な時間を過ごすことができたまだまだ原子力発電に対するイメージは良くないと感じている方々は多いと思うが、偏見やイメージの影響が大きいなと感じた。自分自身もまだまだ勉強不足ではあるが、より深く学んでいくことでそういったイメージは変わっていくと思った。教員を目指すうえで子ども達にどのようにPRすべきか考えていきたい。核融合についてはあまり身近な事柄ではなかったので理解することが大変だった。元々文系出身ということもあり化学分野についても基礎的な知識しか持っていないので子ども達に分かりやすく伝えていくにはどうするべきか考えないといけないのかなと思った。

 

 私は教育学部電気工学研究室所属の大学4年生ということもあり、ある程度、地層処分が安全であることは学んできた。しかし、これから教師になる上で、子どもたちに自分が学んだことを正しくかつ興味が持てるように伝えるには、まだまだ知識が足りなかった。今回の施設見学では、その足りない知識を補うことができた。実際に施設に入り、中にあるものを見て、中にいる人からのお話を聴き、今まで疑問に感じていたところや表には出てこない様々な人の想いを知ることができた。地層処分は私たちの次の世代にできるだけ負担をかけず、最も心配される地震に対しても、地下深くのため影響がほとんどない。ただ、自分の住んでいる場所に処理場ができることに不安に思う人は多い。そのような住民の協力や住民の不安を取り除くために日々研究し説明する姿勢など、様々な人々の協力があって、今の原子力というものが活かされていることを実感したので、私は教師として子どもたちにも伝え、そして考えさせていきたいと思う。