How to Use Nursery Rhymes in Foreign Language Activities Classes at Elementary School
(小学校外国語活動における英国伝承童謡の使用)

59期 AII 類 M. T.

Introduction

2011年からすべての小学校で外国語活動として英語が導入される。国際社会で通用する日本人を育てようとする日本で始まったこの大きな教育改革に、今、教育界の期待と関心が高まっている。音声を中心に英語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めることに加え、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成する、という目標を掲げた、外国語活動。教材や授業を工夫する一つの方法として英国の伝承童謡、マザー・グースの歌を積極的に取り入れることで、児童の英語に対する興味や動機を引き出し、音声中心の体験的な活動の幅が広がると言える。この論文では、マザー・グースの歌の特徴と外国語活動の課題を様々な側面から分析し、それらを詳しく考察することで実際の授業での有効な活用の仕方について考えていく。

Chapter I Characteristics of Mother Goose

この章では、"Humpty Dumpty" や "Hey diddle diddle" など、いくつかのマザー・グースの歌を分析し、その特徴を考察した。(1)簡潔で、音声中心であり、小さい子供にも親しみやすいこと、(2)英語圏の人々の、生活感情や人間性に大きな影響を及ぼしていること、(3)謎めいていて人々をひきつけるナンセンス的な面白さがあること、などを分析しながら、これらの歌の魅力に迫っていく。

Chapter II Mother Goose Songs in the Foreign Language Activities

この章では、学習指導要領の考察と試行段階である小学校外国語活動が抱える課題について取り上げ、それらの一つの解決策として、Chapter I で分析したマザー・グースの歌がいかに効果的であるかについて考察した。主に(1)児童の話すことへの抵抗を軽減する、(2)体験的に文化と言語に慣れ親しむことができる、(3)英語の専門家でない担任の教師にとっての、マザー・グースの歌の活用法、について根拠を挙げながら述べた。

Chapter III What Should Be Kept in Mind in Applying Mother Goose Songs

この章では、Chapter I、Chapter II で考察したことを参考にして、実際に小学校の外国語活動でマザー・グースの歌を効果的に使う際の留意点をあげ、いくつかの活動例の提案をした。(1)選曲における注意、(2)挿絵の効果、(3)歌を用いる際の手順などを中心に自ら考え、述べた。そして、"Itsy Bisty Spider" や Tongue Twitters などの歌を例に取り、その特徴を考察した上で、活用例を提案した。

Conclusion

小学校外国語活動の中で、英語の音声やリズムを児童が学ぶとき、マザー・グースの歌を適した方法で用いることは、非常に有益であるといえる。ただし、教師はこの歌を英語学習の教材としてだけ扱うのではなく、その歌のもつ本来の魅力に触れて、児童とともに楽しもうとする姿勢をもっていることが大切になるのだ。そのためには、さまざま歌に親しみ、内容における面白さ、英語圏の人々の生活感情との結びつき、ジェスチャーの融合といった特徴を考慮した上で、授業に活用していくことが望ましい。